2017 Fiscal Year Research-status Report
検索可能暗号の秘密鍵更新メカニズムの解析と設計と評価
Project/Area Number |
17K00189
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Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
松崎 なつめ 長崎県立大学, 情報システム学部, 教授 (10781891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
穴田 啓晃 長崎県立大学, 情報システム学部, 教授 (40727202)
金岡 晃 東邦大学, 理学部, 准教授 (00455924)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 検索可能暗号 / 鍵更新機能 / IoT / 鍵漏洩対策 |
Outline of Annual Research Achievements |
検索可能暗号は,2000年から研究が開始され,クラウドに預託した暗号文から,暗号化したクエリを用いて所望の情報を,暗号化したまま検索可能とする暗号であり,高機能暗号の中でも実用化に近い技術として盛んに研究されている. 本研究では,IoT環境での実用化を想定し,クラウド側からの鍵漏洩(秘密鍵の暴露や鍵紛失)に対策するため,鍵更新機能付き検索可能暗号を研究する.検索可能暗号は,共通鍵系SSE(Searchable Symmetric Encryption)と公開鍵系PEKS(Public Key Encryption with Keyword Search)に分類され,1年目の2017年度は,このうち,公開鍵系PEKS(Key Updatable PEKS)の研究に取り組んだ.KU-PEKSのコンセプト,要件と安全性の定義を行い,公開鍵更新モデル,鍵隔離モデルのそれぞれにおいて具体的な方式の提案と安全性の証明を行った.公開鍵更新モデルは,一般的な公開鍵暗号と検索可能暗号を組み合わせて構成される.また鍵隔離モデルは,鍵隔離暗号と鍵隔離型検索可能暗号を組み合わせて構成される.後者は前者に比べ実装規模が大きくなる一方,(秘密鍵の)鍵更新に伴って公開鍵を変更する必要がなく,運用コストを削減でき,実用に近いモデルとなる. 研究の成果は,国内研究会とシンポジウム(査読なし)で4件発表した.さらに,国際学会ACISP2018(23rd Australasian Conference on Information Security and Privacy July 11-13, 2018, Wollongong, Australia)に投稿しAcceptされている.論文のタイトルは,次の通りである.Hiroaki Anada, Akira Kanaoka, Natsume Matsuzaki and Yohei Watanabe: Key-updatable Public-key Encryption with Keyword Search: Models and Generic Constructions.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PEKS系については,2つのモデルそれぞれにおいて要件を満たす,一般的構成方法の提案とその安全性の証明まで検討し,論文が国際会議にAcceptされた.
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度は,公開鍵系PEKSについては,検討を加えジャーナル投稿を行う. また,もう一方の共通鍵系SSEについても検討を開始し,国内研究会で発表する予定である. 2019年度(最終年度)は,それまでの提案方式の評価,整理を行う.
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Causes of Carryover |
当該助成金が生じた状況:ネットを介した打ち合わせを多用したため,出張費が削減できた. 使用計画:研究調査のため国内外学会参加の旅費,学会登録費,その他費用に支出予定.
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Research Products
(4 results)