2019 Fiscal Year Annual Research Report
Application and analysis of non-commutative structure to post-quantum cryptography
Project/Area Number |
17K00197
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
安田 貴徳 岡山理科大学, 工学部, 准教授 (00464602)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 耐量子暗号 / 多変数多項式公開鍵暗号 / 格子ベース暗号 / 公開鍵暗号 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、数学的非可換構造を用いた耐量子暗号(量子コンピュータに耐性を持つ次世代暗号技術)の設計とその安全性の解析、従来の耐量子暗号の候補に指摘されていた課題の解決を研究の目的としていた。主に、耐量子暗号の候補である多変数多項式公開鍵暗号、格子ベース暗号が抱える諸問題の解決が目的であった。研究課題全体の目標として、(A)多変数多項式公開鍵暗号への非可換環の応用、(B)格子ベース暗号への非可換環の応用、(C)多変数多項式公開鍵暗号と格子ベース暗号の安全性の解析を掲げていた。 (A)、(B)に対しては、多変数多項式公開鍵暗号と格子ベース暗号の両方の性質をもつ暗号方式を考案した。両暗号の中間に位置するような新しい数学問題に対する解読困難性仮定を導入し、その数学仮定を安全性の根拠とする2つの新方式を構成することができた。1つ目の新方式は、暗号関数の定義域の制限を利用し単射な多変数関数を構成することで実現した。2つ目の新方式は、1つ目の方式を一般化し、実数体上の求解アルゴリズムを利用して、より安全性の高い方式に拡張した。そして、2つの方式の安全性も理論的、実験的に解析し、安全性パラメータを見積もった(C)。2つの方式のC言語による実装も行い、性能調査を行った。また、従来課題の一つである多変数多項式公開鍵暗号の暗号方式の開発も解決できた。本研究課題を通して、3本の論文が国際会議に採択され、4件の学会発表を行った。
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