2022 Fiscal Year Annual Research Report
Sense of agency after exposure to delayed sensory feedback: How does it covary with the change in perception of synchrony?
Project/Area Number |
17K00218
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
菅野 禎盛 九州産業大学, 商学部, 教授 (90352103)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 行為主体感 / 順応 / 時間知覚 / 感覚運動協調 |
Outline of Annual Research Achievements |
人と機械の相互作用においては感覚フィードバックの遅延が行為主体感(sense of agency: SoA)を大きく阻害する。一方、遅延をしばらく経験すると順応により遅延が実際より小さく感じられることが知られている(同時性知覚の再較正、temporal recalibration: TR)。本研究では、TRによってSoAがどのように変化するのかを心理物理実験により明らかにすることを目的とした。R2年度は研究結果を学術論文にまとめて国際学術雑誌に発表した。研究の結果、遅延聴覚フィードバック刺激への順応により、聴覚フィードバックに対する行為主体感の判断基準は変化するが、知覚的な感受性は変化しないことが示された。R3年度は、論文では検討しきれなかった要因をオンライン実験により検証した。この結果、対面実験で得られた結果がオンライン実験で再現できることを確認できた。R4年度はオンライン実験のデータをさらに詳細に分析した。分析にはベイズ統計モデリングによるデータの階層モデル化とマルコフ連鎖モンテカルロ法によるシミュレーションを実施した。この分析により条件ごとの平均値の差だけでなく実験参加者ごとの傾向も推定することができた。実験参加者ごとに推定された統計モデルのパラメータを分析した結果、同時性あるいは行為主体感の時間窓を特徴づけるパラメータ(窓の中心、幅、高さ)と、同時性あるいは行為主体感の判断を特徴づけるパラメータ(感受性と判断バイアス)の間に関連性があることを確認することができた。以上の研究成果を国内学会で発表した。
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