2018 Fiscal Year Research-status Report
農業ICT化に向けた畜舎内での小動物行動追跡システムの構築
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17K00240
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
椋木 雅之 宮崎大学, 工学部, 教授 (20283640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 信介 宮崎大学, 農学部, 講師 (80611368)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 小動物追跡 / エネルギー最小化原理 / SCMA法 / 複雑背景 |
Outline of Annual Research Achievements |
開発した手法を,現実の畜舎環境により近い状況に適用し,手法の評価と改善を行った.これまで,背景が無地の映像を利用して手法を開発・評価してきた.本年度は,背景として小動物とよく似た枯れ葉を敷き詰めた環境を用意した.また,実環境では小動物が物陰に隠れることも想定し,小動物が隠れることができる障害物も環境中に設置した.この環境で撮影した映像に開発手法を適用した所,「物体検出」「物体識別」「未知個体識別」の各段階で手法の問題点が明らかになった.これらの問題について,対処を行った.「物体検出」では,小動物と背景が類似することで,背景部分の誤検出が多く見られた.これに対して,背景部分を学習した識別器を導入し,検出結果をふるいにかけることで,性能改善を図った.「物体識別」では,物体追跡問題に物体識別を利用するという特性上,識別に利用できる各個体の情報(教示画像)が少なく,識別性能が低いという問題が見られた.この問題に対して,個体の教示画像に対して回転処理を施した画像も各個体の情報として加えるデータ拡張を行うことで,改良を行った.「未知個体識別」では,実環境で小動物がカメラ視野内に出入りすることを想定して,教示画像が与えられていない未知個体の識別を,既知個体との類似度に閾値を設定することで実現した.この際,単一の評価指標では十分な性能が得られなかったため,複数の指標を利用する方法を開発した. また,昨年度開発したSCMA法に対して,観測情報を制約項として追加することでよりロバストな追跡を実現した.SCMA法の制約項として,従来の画像特徴に加え,「フレーム間での移動距離が小さい対応づけの方がよい」という制約を追加した.従来は同様の制約をエネルギー最適化とは別の枠組みで適用していたが,本手法では,同じ1つのエネルギー最適化の枠組み内で制約を付与し,従来と同程度の追跡結果が得られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標としていた,実環境に近い環境での手法の評価と改良が行えた.また,エネルギー最適化による定式化の中で,制約を追加することで手法を改善する可能性も示すことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
畜舎内での小動物追跡の評価と改良を継続していく.実環境での撮影データが入手できる目処がたったため,実データでの評価を目指す.そのため,当初予定していたシミュレーションデータによる評価は,優先度を下げる.また,追跡システム同士を連携させて,より広範囲の追跡を実現する手法についても検討を行う.
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Causes of Carryover |
実環境へのシステム設置の調整に時間がかかり,本年度中にはシステムの構築・設置が行えなかった.システム設置の目処は立っており,次年度に構築・設置を行う.
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Research Products
(4 results)