2018 Fiscal Year Research-status Report
Monaural 3D sound reproduction system
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17K00244
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
平原 達也 富山県立大学, 工学部, 教授 (80395087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森川 大輔 富山県立大学, 工学部, 講師 (70709146)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 音像定位 / 単耳受聴 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、まず、受聴者によって単耳受聴時で頭部を運動させた場合の音像軌跡データのばらつきが大きことが実験方法や実験手順などに起因するアーティファクトなのか否かを確認した。その結果、これは、実験方法や実験手順などに起因するアーティファクトではなく、受聴者によってそれぞれの耳介形状が異なるために、頭部を運動させたときの音像の動きが受聴者によって異なることによるものであることが判った。ただし、音像が二つに分離して聴こえるときの受聴者の音像軌跡の描き方には個人差が認められたので、音像軌跡描画のシステムの改善と描画手順の明確化を行った。 次に、受聴者の頭部伝達関数を直説法および相反法で測定し、そのデータベースを作成した。その結果、水平面の頭部伝達関数の高域に現れるスペクトルのピークとディップの位置が受聴者によって異なることを確認した。これらは、正中面上にある音像の仰角を判断するスペクトル的特徴として知られているが、両耳間時間差と両耳間レベル差という両耳特徴が提供されない、あるいは異常な値である場合には、水平面上にある音像の方位角を判断するために利用されることが判った。そして、片耳を耳栓で閉塞した場合、頭部を動かして刺激音を受聴すると音像が動くか動かないかを判断させることにより、両耳受聴状態にあるか単耳受聴状態にあるかを判別できることもわかった。この方法を利用して両耳・単耳受聴状態の判別を行った結果、受聴者の高域の最小可聴閾値が、単耳受聴状態を確保する刺激音の音圧レベルに影響することが判った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画どおり、音像定位実験を進めるとともに受聴者の頭部伝達関数も測定した。ただし、完全な単耳受聴状態を確保するためには、個別の最小可聴閾値を事前に把握する必要があることも判明し、スペクトル的特徴のどの部分が単耳受聴時の音像知覚に寄与しているかを確認する実験は実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は、受聴者が耳栓を装着したときの最小可聴閾値を個別に測定し、完全な単耳受聴状態を確保する刺激音の音圧レベルを定めたうえで、スペクトル的特徴のどの部分が単耳受聴時の音像知覚に寄与するかを明らかにする音像定位実験を行う。その結果に基づいて、モノーラル立体音再生システムの設計指針を定める。
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Research Products
(4 results)