2017 Fiscal Year Research-status Report
A Feature Extraction Method Invariant to General Coordinate Transformation
Project/Area Number |
17K00245
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
鳥生 隆 大阪市立大学, 大学教育研究センター, 特任教授 (80347484)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | アフィン変換 / 一般座標変換 / 計量テンソル / 特徴抽出 / 不変性 / スムージング / 微分演算子 / アフィン不変な評価関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目標は画像から一般座標変換に不変な特徴を抽出する方法を開発することである。その1ステップとして、画像からアフィン変換に不変な一連の特徴を抽出する方法について研究した。今回の研究において最も重要なポイントは、アフィン変換に対して適切な変換性を持つ計量テンソルを導入したこと、そして、アフィン変換に不変な評価関数を利用してそれを導き出す方法を見出したことである。アフィン変換に対して適切な変換性を持つ計量テンソルを利用すれば、アフィン変換に不変なスムージングや、アフィン変換に不変な微分演算が可能となる。 一般に、画像からの特徴抽出は、低周波数成分と高周波数成分を抑制することで行われる。中間的な周波数成分に本質的な特徴が含まれることが多いからである。スムージングは高周波数成分を抑制する処理であり、微分演算は低周波数成分を抑制する処理である。これを組み合わせることで画像の特徴が抽出されることが期待できる。 このことを利用し、アフィン変換に不変なスムージングを画像に施した後、アフィン変換に不変な一連の微分演算子をカスケード的にその画像に適用することで、アフィン変換に不変な一連の特徴を抽出するようにした。合成画像を使って開発した手法の妥当性を定量的に評価し、アフィン変換に対する不変性が達成されていることを確認した。また、実画像を用いた実験により、所望の結果が得られていることを確認した。 なお、本研究ではアフィン変換に対する不変性を達成したが、この方法を発展させることで、最終的な目標である一般座標変換に不変な特徴抽出方法を開発できることを期待している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目に予定していた「一般座標返還に不変なスムージング手法の開発」をスキップして、2年目に計画していた「アフィン変換に不変な特徴抽出手法の開発」を初年度に達成した。この目標を達成するためのアイデアに思い至ったので、こちらを先に着手することとした。そのため、理論面での研究は予想以上に進んだが、一方、実画像による系統的な評価が必ずしも十分でない。しかし、今後の研究の道筋がかなり明瞭になってきており、全体としては、おおむね順調に進展していると判断する。
|
Strategy for Future Research Activity |
2年目に予定していた「アフィン返還に不変な特徴抽出手法の開発」を達成したので、1年目に予定していた「一般座標返還に不変なスムージング手法の開発」はスキップして、直接に最終年度の目標である「一般座標返還に不変な特徴抽出手法の開発」に取り組む。 そのためには、アフィン変換に対して所定の変換性を有する計量テンソルを一般化して、一般座標変換に対して所定の変換性を有する計量テンソルを導入する必要がある。それを達成するために最も重要なことは一般座標変換に不変な評価関数を見出すことである。その評価関数を最小化することで一般座標変換に対して望ましい変換性を有する計量テンソルが定まる。1年目に導入したアフィン変換に不変な評価関数を一般化することになるが、ヒントとして、物質やエネルギーなどの空間的な分布に応じて重力場を表す計量テンソルが定まる一般相対性理論における理論的枠組み利用できないかについて検討する。特に、評価関数に相当する汎関数最小化のアプローチによる定式化の方法を参考にする。
|
Causes of Carryover |
初年度は理論面での研究が中心となったため、消耗品などの支出を要しなかった。また、発表にかかる経費がやや予想より下回った。 2年目においても、当面取り組むべきは、理論面での研究を完成させることであり、初年度の繰り越し分の一部は3年目に繰り越される見込みである。3年目は、実画像を用いた系統的な評価を行うことを予定しているので、実験に伴う経費が発生する見込みである。
|
Research Products
(3 results)