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2017 Fiscal Year Research-status Report

脳の視覚情報処理機構を考慮した深層畳込みニューラルネットワークの研究

Research Project

Project/Area Number 17K00251
Research InstitutionTokyo University of Technology

Principal Investigator

菊池 眞之  東京工科大学, コンピュータサイエンス学部, 講師 (20291437)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
KeywordsDeep Learning / 深層畳み込みニューラルネットワーク / 視覚系 / U-Net / Neocognitron
Outline of Annual Research Achievements

ヒトの視覚系が物体外縁輪郭そのものではなく,中心軸変換によって得られるスケルトン状輪郭を形状表現としてエンコードしているとの説がある.中心軸表現のアドバンテージについてモデルのシミュレーションにより検証すべく,深層畳み込みニューラルネットワーク(DCNN)のプロトタイプである視覚系パターン認識モデルNeocognitronを用いて,様々な形状の物体につき認識を許容する変形の限界を物体輪郭とスケルトンの2種の入力パターンを使って調べた.明確な差はないものの,物体外縁輪郭のほうが識別率が高いケースが多かった.画像の変形タイプごとにパラメータ調節して調べたので,1セットのパラメータで各種変形への耐性テストを行うことが今後の課題である.
一方,ヒトの視覚認知の顕著な特性の1つとして,対称性のあるパターンの知覚が明瞭であることが挙げられるが,この特性が発現するメカニズムは明らかにはなっていない.Fukushima&Kikuchi(2006)のモデルでは,局所的な入力信号の統合結果同士のバランスをとるメカニズムで対称性を持つ物体を検出するようになっており,かつ背景が均一な画像のみ扱えるものだった.本研究では作り付けの回路ではなく,DCNNによる学習で対称性検出機構が醸成されるか,そして複雑な背景在りの自然画像に対して対称性検出が可能か否かを,視覚系を荒くモデリングしたものとみなせるAlexNetやU-Netを用いて調べた.その結果,必ずしも高精度とは言えないものの可能であることがわかった.
また,U-Netのようなアーキテクチャーのモデルの性能評価の一環で,実世界の問題への適応可能性を調べるべく,医用画像処理の発表に応用した.CT画像を入力,脊椎領域を出力として学習させると,十分実用可能なレベルで未学習の脊椎を出力できることを確認した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初は2年目の計画として考えていたしていたパターン中心軸認識の研究で相応の成果があったこと,また計画外であった対称性検出のDCNNや医用画像処理へのDCNNの応用の研究で成果があった一方で,当初の1年目の計画であったトポグラフィック細胞面構造の導入が,モデルの設計を進められたのみでありシミュレーション未実施であること,また同じく1年目の計画だったDCNN最適パラメータ探索についても,有益な規則性を見出すには至っていないこと,などを勘案すると,総合的には若干遅れている状況であるとみなすことができる.

Strategy for Future Research Activity

当初,初年度に実施すべく計画していたDCNNへのトポグラフィック細胞面構造の導入,ならびにDCNN最適パラメータ探索の2つのテーマを2年目に実施する.また,1年目に取り組んだものの不完全な部分が残ったパターン中心軸の認識(全てのパターン変形タイプに共通の閾値の設定),DCNNによる対称性の検出(少量であった学習・テスト用パターンの大幅追加,および対称性領域検出結果に対する適合率・再現率による評価),DCNNによるCT画像からの脊椎領域の抽出(脊椎の有する空間的文脈の学習,ならびに各脊椎要素の正常/骨折の識別)を2年目~3年目にかけて並行して取り組んでゆく.併せて当初2-3年次に実施予定だった最適ハイパーパラメータの探索効率化,細胞の整数グリッドから実数座標への拡張,全層リカレントCNNモデルの構築などへも今後取り組んでゆく.

Causes of Carryover

コンピュータ(ノートPC)を購入する予定だったが,実際の購入の時期がずれて年度を越えることとなったため次年度使用額が生じることとなった.
2年目は上記のPC本体の購入を行うととともに,同PCにてDCNNのシミュレーションを効率よく実行するためのUSB接続の外付けGPUボックスならびにGPUカードも購入する.
また,同時並行的に進行させる研究テーマが多くなったため,DCNNのシミュレーションを行えるPCを増やす必要がある.当初の購入計画であったプレゼンテーション用PCを,シミュレーションも行うことができるように外付けGPU装置も揃えて購入することとする.その他,国内外での研究発表や研究資料購入にも予算を充てる.

  • Research Products

    (3 results)

All 2018

All Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results)

  • [Presentation] U-NetによるCT画像における脊椎の自動検出2018

    • Author(s)
      鎌田理詩, 菊池眞之, 庄野 逸, 林 勲, 福島邦彦
    • Organizer
      電子情報通信学会ニューロコンピューティング研究会技術報告
  • [Presentation] Identification and region extraction of symmetry by deep learning2018

    • Author(s)
      Yoshiki Goto, Masayuki Kikuchi
    • Organizer
      NCSP2018 (Nonlinear Circuits, Communications and Signal Processing)
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Automatic detection of spine in CT image by U-Net2018

    • Author(s)
      Mikoto Kamata, Kunihiko Fukushima, Hayaru Shouno, Isao Hayashi, Masayuki Kikuchi
    • Organizer
      NCSP2018 (Nonlinear Circuits, Communications and Signal Processing)
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2018-12-17  

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