2017 Fiscal Year Research-status Report
分光画像解析による産毛や微細な色素分布を考慮した皮膚のモデル化と質感再現
Project/Area Number |
17K00255
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
土居 元紀 大阪電気通信大学, 情報通信工学部, 准教授 (00304155)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 分光撮影 / マイクロスコープ / 産毛の散乱 / 皮膚の質感再現 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請課題では,産毛による光散乱の解析,および,微視的な皮膚表面の分光画像解析を行い,解析結果を基にその質感再現を行うことを目的としている. まず,皮膚表面の局所的な詳細な分光反射特性を計測するため,本申請予算の設備備品費で購入するデジタルマイクロスコープと現有の波長プログラマブル光源(任意の分光分布を持つ可視光を照射可能な装置)を組み合わせ,光源とカメラを同期させて分光撮影用マイクロスコープシステムを構築した.構築に際しては光学装置に詳しい連携研究者の来海暁氏にご指導頂いた.購入したデジタルマイクロスコープは架台支柱を大きく傾斜させることができる.また,マイクロスコープのカメラ部については感度が高く,幅広い分光感度特性を持ち,画素数の多いものを選定した.また,カメラについて,同期信号を入力するためのソケットとケーブルを自作し,任意の時間間隔で撮影できるようにした.ただし,短時間で連続して撮影できる画像数に制約があり,カメラをコントロールするPCの性能によるものと思われる.平成30年度に本研究費で購入予定のPCでは,カメラコントロールへの応用も考慮して選定したいと考えている. また,構築した分光撮影用マイクロスコープシステムにより,局所的な皮膚表面および産毛の計測を行い,画像を収集中である.ただし,各波長の画像間で撮影対象の位置ずれがある場合の補正について自動的に行う方法が解決されておらず,継続して検討する課題となっている.また,産毛の散乱について新たに関連研究が見つかり,これを調査した. これまでの研究について,連携研究者の来海暁氏と西省吾氏と打合せを行い,今後の研究遂行について相談した. また,先行して皮膚の質感再現について検討を行った.実際に腕を3D計測したデータをもとにCG再現を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度に予定した皮膚の局所的な分光撮影のためのマイクロスコープシステムの構築についてはほぼ実現できた.ただ,システム構築に手間取ったこともあり,皮膚の局所的な分光撮影と産毛の散乱効果の解析については,やや遅れている.ただし,平成30年度に予定した皮膚の質感再現の準備のため,先行して皮膚の3次元CG生成に取り組んだ.
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Strategy for Future Research Activity |
産毛と皮膚表面の粗さ,および,皮膚表面下散乱を考慮したモデルを確立し,質感再現を行う.また,分光撮影用マイクロスコープシステムで撮影した分光皮膚画像を解析し,皮溝や皮丘などのきめの特徴や色素沈着部位などの特徴における色素分布をモデル化する.
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Causes of Carryover |
マイクロスコープシステムの構築における工作において,現有のものを利用するなどしたため,消耗品費の支出がかからなかった.30年度は,次年度使用額と今年度交付額を合わせた金額内で,高性能PCを購入し,工作の為の消耗品費を支出し,また,学会発表を行う予定である.
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