2018 Fiscal Year Research-status Report
高い視認性を有する総合的な視覚化プラットフォームの開発
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17K00261
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
松山 克胤 岩手大学, 理工学部, 准教授 (80404804)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 多視点レンダリング / リアルタイムレンダリング |
Outline of Annual Research Achievements |
オブジェクトの概観や特徴を理解しやすいように描き出す視覚化システムの実現を目指し、具体的に開発するシステムの検討を行なった。オブジェクトが有する特徴の種類は、オブジェクトの形状的特徴と質的特徴とに大別できる。本研究では、形状的特徴と質的特徴のそれぞれに適した視覚化システムを設計することとした。 オブジェクトの形状的特徴に対する視覚化システムを設計するにあたり、レンダリング技術の再検討を行った。本研究は、高い視認性を有するレンダリング手法として、多視点レンダリング技術に着目している。既存の多視点レンダリング技術の調査と実装実験を行った結果、既存の技術は、レンダリング速度において、汎用性とポリゴン数とのトレードオフを有することと、カメラモデルの複雑さが増加すると、リアルタイムレンダリングが困難であることがわかった。本研究では、上記の結果を受けて、複雑なカメラモデルで高速にレンダリングを行う新しい手法を設計し、簡易的な実装実験を行った。 質的特徴を考慮した視覚化システムとして、多変量データの次元圧縮アルゴリズムやオブジェクトの再配置アルゴリズムを用いた探索システムを設計し、具体的なデータセットとして、水産業データを用いたプロトタイプ制作を行った。 コンピュータグラフィックス分野とビジュアライゼーション分野の文献の調査を行い、先行するレンダリング技術とインタフェース設計の調査、および、設計した視覚化システムの新規性の明確化を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オブジェクトの概観や特徴を理解しやすいように描き出すための、具体的に開発するシステムの検討を行なった。オブジェクトが有する特徴の種類は、オブジェクトの形状的特徴と質的特徴とに大別できるので、形状的特徴と質的特徴のそれぞれに適した視覚化システムを設計することとした。 オブジェクトの形状的特徴に対する視覚化システムを設計するにあたり、多視点レンダリングの既存技術の調査と実装実験を行い、レンダリング速度において、汎用性とポリゴン数とのトレードオフの関係があることと、カメラモデルの複雑さに強い影響を受けることを確認した。これを受けて、機械学習による回帰に基づいたフィードフォワード型のレンダリング手法を設計し、簡易的な実装実験を行った。今後、より詳細な実装と、提案手法の評価を行い、どの程度複雑なレンダリングが可能であるかを調査して、手法の有効性と制約を明らかにする。 質的特徴を考慮した視覚化システムとして、多変量データの次元圧縮アルゴリズムやオブジェクトの再配置アルゴリズムを用いた探索システムを設計し、具体的なデータセットとして、水産業データを用い、t-SNEを用いた視覚化システムを試作した。今後は、機械学習と組み合わせた視覚化手法を開発する。 平行して、コンピュータグラフィックス分野とビジュアライゼーション分野の文献の調査を行い、先行するレンダリング技術とインタフェース設計の調査、および、設計した視覚化システムの新規性の明確化を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、視覚化システムの具体的な実装を行う。オブジェクトの形状的特徴と質的特徴のそれぞれに対して設計したインタフェースを実現させて、実験を行い、効果を検証する。 形状的特徴を考慮した視覚化システムとして、基盤となる多視点レンダリング技術の新たな手法を設計し、簡易的な実験を行った。本研究では、回帰に基づくフィードフォワード型のレンダリング技術を開発しており、今後、提案する手法の精度、速度、および制約を実験により明らかにする。また、ユーザインタフェースの開発や、具体的な応用についても検討と実装を行う。 質的特徴を考慮した視覚化システムとして、水産業データを用い、t-SNEを用いた視覚化システムを試作を行ったので、今後、実験によりシステムの有効性の検討を行い、また、機械学習と組み合わせた視覚化手法の開発を行う。 このような視覚化システムの実装と並行し、形状的特徴と質的特徴を統合的に取り扱うことができる視覚化システムについても引き続き検討し、特に、シームレスに統合できるようなインタフェースの設計を行う。また、上記視覚化システムに加えて、タブレット端末を用いた、マルチタッチを活用したユーザインタフェースの設計と開発にも取り組む。Webプラットフォーム上での実装についても検討を行う。 このような視覚化システムの開発と文献の調査を推進し、開発する視覚化システムの新規性を明確にしつつ、学会発表や論文執筆を行う。
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Causes of Carryover |
准教授に昇任した関係もあり、申請段階で計画していた謝金分を、学生にデータ整理とプログラム作成を行ってもらうためのPCの購入に充てた。次年度も必要に応じてPCの購入を行う計画である。 旅費は、情報収集と成果発表の旅費として用いた。旅費については、次年度の情報収集、打ち合わせ、成果発表の旅費として使用する予定である。 謝金等およびその他で計上していた論文校閲と学会参加費は、次年度の論文執筆と学会参加に使用する予定である。
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