2017 Fiscal Year Research-status Report
Study on simple and high-quality presentation of material appearance using augumented reality
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17K00266
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
小室 孝 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (10345118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津村 徳道 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (00272344)
山本 昇志 東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 教授 (70469576)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 質感 / 拡張現実感 / モバイルインターフェース / 反射特性計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は研究代表者らがこれまでに開発したシースルーモバイルARシステムをベースに、多様な質感を持つ仮想物体を提示し、手で動かせるようにするシステムを構築した。モバイルディスプレイの背面に取り付けたRGB-Dカメラを用いてマーカーを取り付けた手指の姿勢認識を行い、仮想物体に対し6自由度(並進3+回転3)の操作ができるようにした。また、BRDFモデルに基づいて物体の鏡面反射率と物体表面の粗さを変えることで、光沢やコントラスト、映り込みの鮮明度などを制御し、異なる材質の質感を再現することに成功した。本成果はモバイルユーザインターフェースの中堅国際会議であるInternational Conference on Mobile and Ubiquitous Multimedia (MUM 2017) でデモ発表を行い、参加者から好評を得た。 当初予定していた質感向上効果の検証については、本年度中に行えるように準備は進めていたが、実験に使用する仮想物体の形状や材質パラメータをどのように決定するかが定まらなかったため、次年度への持越しとした。代わりに、次年度以降に予定していた物体形状・反射特性計測システムの構築を前倒しに進めた。RGB-Dカメラを用いて物体の全周 囲の撮影を行い、形状データと頂点の輝度値を取得し、それらの情報と光源情報から反射モデルのパラメータを求め反射特性を取得することができた。さらに、得られた反射特 性を再現した物体をモバイルAR を用いて重畳表示し、手に取って動かせるようにすることで実物体の質感を再現した。実際に数種類の実物体を計測し、再現された物体をモバイルARを用いて手に取って操作することで、物体の光沢やつやの変化を感じ取ることができることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた質感向上効果の検証については次年度への持越しとしたが、代わりに、次年度以降に予定していた物体形状・反射特性計測システムの構築と質感提示システムとの統合を前倒しに進めることができたため、総合的には順調に進んでいるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は今年度持越しにした、質感向上効果の検証実験を行う。それにより、身体動作が質感認知に与える影響や、視覚情報と体性感覚情報が一致することにより質感の認知が強化されるかどうかを明らかにする。また、今年度に前倒しに構築した物体形状・反射特性計測システムについても、より多様な物体の反射特性を計測できるように改良を加え、後の評価実験に耐えられるようにする。さらに最終年度には、それまでに構築した質感提示システムと物体形状・反射特性計測システムの統合を行い、どのくらい物体の質感が再現されているかを評価する被験者実験を行うことで、提案システムの有効性を検証する予定である。
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Causes of Carryover |
効率的に研究を進められたため、予定額よりも少ない金額で研究を遂行できた。次年度に繰り越した金額については、学会等での成果発表を積極的に行うなどの使途に使用する予定である。
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