2018 Fiscal Year Research-status Report
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17K00270
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
遠藤 孝浩 京都大学, 工学研究科, 助教 (70432185)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 技能訓練 / 運動学習 / 触力覚 / バーチャルリアリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
医療や製造分野における手指を用いた技能訓練(運動学習)では、人工現実感(VR)技術の利用が期待される。特に指先力の伝達を含む運動学習では、指先に関する訓練支援用フィードバック(訓練者に、動作修正のために与える訓練支援用の力情報)が重要である。触感覚の向上により、その検知能力を高めることが出来れば、運動学習を大いに向上させる可能性がある。本年度は、昨年度構築した、触知覚向上のためのホワイトノイズを手首部に与えつつ、指先に訓練支援用力フィードバック情報を提示できるデバイスおよび仮想環境を用い、受動訓練法および能動訓練法の検討を行った。 受動訓練は、初学者を熟練者の動作へ誘導する訓練手法である。この実現のため、保存した熟練者の指先位置へ初学者の指先位置を誘導する訓練情報を、初学者の指先へ提示する訓練システムを構築した。このシステムを用い、触感覚向上機能下における受動訓練を検討し、指先位置情報の伝達が可能であることを確認できた。他方、能動訓練は、熟練者との誤差を提示しそれを能動的に打ち消す訓練手法である。触感覚向上機能下において、初学者に熟練者との力誤差を提示し、初学者がそれを打ち消すように指を動かすことで、熟練者から初学者への指先力の伝達が可能であることが分かった。特に、ホワイトノイズを手首部に与える触感覚向上機能を付与した場合、それを付与しなかった場合に比べ、力の伝達が速く行われることが見受けられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、運動学習における触感覚向上機能の実現、および触感覚向上機能と学習心理学に基づいた訓練方策を通し、触感覚向上を考慮した手指運動学習システムを実現することである。特に、交付申請書における本年度の目標にあるように、触感覚向上機能下における受動訓練法を検討した。またこれとは別に、触感覚向上機能下における能動訓練を行い、熟練者から初学者への指先力の伝達が可能であることが分かった。このため、現在までの進捗状況は、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、前年度に引き続き、能動訓練法による位置情報の伝達、運動学習における触感覚向上機能の構成法の検討を行う。
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