2018 Fiscal Year Research-status Report
リアルタイム処理可能な突発性雑音除去システムの開発
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17K00272
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
笹岡 直人 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (80432607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 良生 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (70263481)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 信号処理 / 騒音抑圧 / 音声強調 / キュムラント / ヒアラブルデバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
IoTデバイスとしてヒアラブルデバイスの開発が進められている。ヒアラブルデバイスにおいて、音声に混在する周囲環境雑音の除去は必須である。従来から定常性の強い雑音に対する雑音除去システムが開発されているが、リアルタイム性を確保しつつ、突発的に発生する雑音の除去は困難であった。そこで本研究では、ヒアラブルデバイスが要求するリアルタイム性を確保する突発性雑音除去システムの開発を目的とする。 突発性雑音は鳴り始めに発生する広帯域成分(インパルス性雑音)と狭帯域成分(残響成分)に分けられる。本年度は、狭帯域成分除去手法に関して性能改善と実装に向けた各種設定の最適化の検討を行った。これまで我々が開発した線形予測による狭帯域成分除去手法では、高音質ではあるが十分な雑音除去性能が得られていなかった。そこで線形予測で得られた狭帯域成分情報を基に周波数領域における狭帯域成分推定並びに除去処理を導入した。シミュレーション実験により音質の改善だけでなく雑音除去性能の改善も確認された。また、実装に向けた検討として、線形予測器とそれに用いる適応アルゴリズムの動作解析を行った。これにより、突発性雑音の生成モデルと線形予測器による雑音除去メカニズムが明らかになった。さらに、広帯域成分除去手法に関して我々が開発した手法を基に両耳ヒアラブルデバイス用突発性雑音除去システムについて検討し、計算機シミュレーションにより有効性が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の課題は、狭帯域成分除去手法の性能改善と、実装に向けた各種設定の最適化であった。提案した狭帯域成分除去の性能改善手法は、従来手法と比較して十分な性能改善が確認されており、計画通りである。また、実装に向けた検討として、線形予測器とそれに用いる適応アルゴリズムの動作解析を実施し、適応アルゴリズムの動作メカニズムを解明することで各種パラメターの最適値を導き出した。この動作解析結果を基に電子情報通信学会論文誌への投稿も行っており、当初の予定通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の研究課題として、突発性雑音除去システムの実装があげられる。実装するシステムは以下のとおりである。突発性雑音の狭帯域成分に対しては時間領域処理である線形予測を用いる。一方、広帯域成分に対しては、まず周波数領域において4次キュムラントを用いて広帯域成分が発生している区間を検出し,検出されたフレームに対してウィナーフィルタリングにより除去を行う。
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