2017 Fiscal Year Research-status Report
Study of the realistic effects using multi-modal stimuli on the human senses with display system
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17K00279
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
伴野 明 東海大学, 情報通信学部, 教授 (90328104)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 香り / 気流 / 映像表示 / 感性マルチメディア / クロスモーダル / 生体反応計測 / 臨場感評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、これまで開発を進めてきている視聴覚・嗅覚・風触覚の各情報を協調的に表示できる装置(感性マルチメディアディスプレイ;KMMD)を用いて、摂食系、及び、温感系のコンテンツを制作し、当該コンテンツ提示の際の心理的効果、特に、臨場感効果を生体反応計測から客観的に評価する手法を確立することを目的とする。摂食系コンテンツでは、美味しいそうと感じたときの唾液分泌に着目し、また、温感系コンテンツでは、没入した際の体感温度変化に着目し、各々アンケート結果と、生体反応計測結果の関連性から客観的評価方法を探求する。実績は以下の通り。 (1)感性評価実験環境の整備(KMMD構成法):感性マルチメディアを高い臨場感で鑑賞できるように、簾スクリーン・プロジェクタ方式でKMMDを試作した。画面サイズは、60インチ程度で、気流や香りの放出部を画面裏側に設けた。気流方向を制御しつつ利用者に映像と共に風触覚、嗅覚提示できる。香り放出機構は、5種類の香りを切り替えて提示できる。また、コンテンツ鑑賞中の被験者の生体反応を計測できるように、心電計、視線検出装置、NIRSを装着できるようにした。 (2)コンテンツの制作と臨場感評価:ア)映像と風を協調的に提示できるKMMDの特性を生かしてバーチャル扇風機を制作し、扇風機の首振り運動に合わせて画面から風が放出されることを示した。またこの時、臨場感の高まりを評価した。イ)香り付き果物映像コンテンツ、香り付きすき焼き映像コンテンツを試作し、臨場感の向上とともに、脳血流、自律神経系、視線にどのような特徴的な変化が生じるか検討した。ウ)寒冷映像として風付き吹雪映像コンテンツを制作し、風、香り、映像の連動提示による体感温度への影響を評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
風・香り・映像を協調的に提示できるKMMDを試作し心理評価できる環境を構築した。複数の感性コンテンツを制作し、アンケートによる主観評価実験、生体反応計測を用いた客観評価実験を進めた。これらの成果について、学会発表を行った。また、学術論文を投稿した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画通りに進める。 具体的には、様々な感性マルチメディアコンテンツを制作し、KMMDを用いて提示し、主観評価、客観評価を継続する。摂食コンテンツを用いた実験では、食欲と唾液との関連、臨場感と記憶との関連などを調べる。温感コンテンツを用いた実験では、当該コンテンツの嗜好性と体感温度、皮膚温度などとの関連を調べる。また、香り付きゲームへの効果なども検討する。
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Causes of Carryover |
学術論文を投稿中であり、採録が決まれば次年度に出版費用に充当したい。
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