2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study of the realistic effects using multi-modal stimuli on the human senses with display system
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17K00279
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
伴野 明 東海大学, 情報通信学部, 教授 (90328104)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 表示装置 / 映像 / 香り / 気流 / 感性マルチメディア / クロスモーダル / 心理評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、これまで開発を進めてきた視聴覚・嗅覚・風触覚の各情報を協調的に表示できる装置(感性マルチメディアディスプレイ;KMMD)を用いて、摂食系、及び、温感系のコンテンツを提示し、心理的効果を明らかにすることである。当初計画は、平成29年度から平成31年度までの3年間であったが、平成30年3月をもって所属機関を退職し科研費応募資格を喪失したため研究を終了した。主な実績は以下の通りである。 (1)視覚・嗅覚・風触覚協調表示装置の改良と構成法:KMMDを摂食系、温感系のマルチモーダルコンテンツが提示できるように、即ち、映像シーンと連動するように、気流や香りを提示できるように改良し、心理実験の環境を整備した。 (2)コンテンツの制作と生体反応計測を用いた臨場感評価法:摂食系コンテンツ制作では、被験者の多くがエピソード記憶を持つ馴染みの食材やその調理シーンを題材とした。温感系コンテンツ制作では、自然の季節変化(秋~冬~春)を題材とした。これら映像をKMMDで被験者に提示し、脳血流変化、視線変化、皮膚表面温度変化などの生体反応を計測した。また、アンケートによる主観的指標変化を計測した。その結果、摂食系コンテンツ提示では唾液分泌に関連する指標が変化した。温感系コンテンツの提示では、体感温度に関する指標が変化した。 これらを整理したところ、複数の感覚刺激を矛盾なく提示することにより、臨場感は向上し、コンテンツの表現に合致した生体反応が生じやすいことを明らかにした。また、臨場感の向上にKMMDは有効なことを明らかにした。
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