2018 Fiscal Year Research-status Report
Studies on a communication robot that improves user's mental condition through emotional contagion
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17K00293
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Research Institution | Advanced Telecommunications Research Institute International |
Principal Investigator |
港 隆史 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 石黒浩特別研究所, 研究員 (50359858)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ヒューマンロボットインタラクション / コミュニケーションメディア / 感情伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
情動伝染によりユーザをロボットに共感させることでユーザのポジティブな心的状態をもたらすことができる対話ロボットの実現に向け,昨年度に引き続き,ロボットメディアとして,表情,パラ言語,身体動作など多様な表出が可能な人酷似型のアンドロイドロボットを対象として,情動伝染を生じさせるロボットの表出モダリティについて調査を進めた.ユーザのポジティブな心的状態をもたらすための1手段として,互いに共感して盛り上がる対話を想定し,それを実現するために,対話中のロボットの興奮状態をユーザに認識させるための表出要因について調べる研究を行った.人同士の盛り上がり対話に関する知見から,対話におけるアンドロイドの発話の交代潜時,音声特徴(ピッチ,音量,話速),上体の姿勢,腕の動きの頻度および激しさ(速さ)の特徴変化について,アンドロイドの平静状態から興奮状態への変化が認識されやすいものを心理実験により調査した.その結果,音声特徴を変化させることが興奮状態の認識にもっとも効果的であることが示された.次にアンドロイドの身体性を利用した様式として,接触(相手の身体に手で触れる)による感情伝達について調べる研究を行った.アンドロイドとユーザが隣同士で座ってモニタ等を見ながら対話している状況で,アンドロイドがユーザに触れるインタラクションを想定し,触れることによって感情が強く伝わるのかどうか,また基本6感情のそれぞれについて,どのような触れ方が各感情を自然に伝えるのかについて,心理実験により調査した.実験結果からは触れることが感情をより強く伝えることが明らかになった.また,感情ごとに自然な触れ方要因(軽くたたくように触れる/たたかないように触れる,なでるように動かす/動かさない,長く触れる/短く触れるなど)が異なるも明らかになってきており,今後,触れ方と伝わる感情の関係をモデル化する計画である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
情動伝染の要因をロボットの様々な表出モダリティについて調査し明らかにしてきた.ただし計画していた,情動伝染から心的状態を変化させるための要因についてはまだ着手できていない.これについては次年度にロボットの効果検証と合わせて調査する計画である.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で,ロボットの情動を伝える要因を,ロボットの様々な表出モダリティについて調査し明らかにしてきたが,情動伝染から心的状態を変化させるための要因についてはまだ着手できていない.様々な表出が可能なアンドロイドロボットを用いて,今後は,情動を伝達する表出の調査に加えて,ユーザの心的状態を変化させる要因を調査するとともに,情動伝染の効果を持つ対話アンドロイドをデザインし,快感情や満足度を増幅する効果,不快感情を軽減する効果について,実際の利用場面を想定した実験により検証する.
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Causes of Carryover |
これまでの研究を通して得られた知見を確かめる評価実験を多人数の評価が一度に可能なクラウドソーシングによるアンケート調査で行う必要性が生じたが,本年度の予算では不十分であるため,次年度使用額を,次年度にアンケート調査用の費用として用いる.
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Research Products
(5 results)