2018 Fiscal Year Research-status Report
データマイニング手法を用いた多人数不完全情報ゲームの特徴抽出
Project/Area Number |
17K00297
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
西野 哲朗 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (10198484)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ゲーム情報学 / コンピュータ大貧民 / 決定木分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
人間の経済活動等をモデル化した多人数不完全情報ゲームにおける各プレイヤーの振る舞いを、ゲームの膨大な対戦記録から、データマイニングの手法を用いて明らかにするために、トランプゲームの大貧民の分析研究を行った。今年度は、決定木分析により、プレイヤーの戦略の論理構造を抽出し、プレイのルール(癖)を抽出した。 決定木とは、データの分類説明をノード(頂点)で、分析結果をリーフ(葉)で表現する木構造の概念表記である。決定木の各ノードにはそこからの分岐条件が示され、データは次のノード、もしくはリーフへと引き渡される。リーフはそれ以上分岐する必要がない最終的な分類を表す。この木構造を別な形式で表現すると、IF THEN形式のルールが得られる。決定木ではこの IF THEN形式によって分類の分岐条件を説明してくれるため、分類に対する理解を得やすいという性質がある。 決定木を生成するための分類手法、分類基準には、ジニ係数、もしくは情報理論におけるエントロピーが良く用いられる。エントロピーという用語は、情報科学分野では、情報量を測るための概念として位置付けられている。決定木の各ノードにおける分岐条件の順番を上手く調整して、早くリーフに到着できるようにすること、すなわち、概念のエントロピーを高速に減少させるようにすることで、決定木を構成するアルゴリズムとしてC4.5等が知られている。 大貧民の対戦ログから、C4.5等のアルゴリズムを用いて大貧民プログラムの戦略を表現する決定木を生成する。その分析結果は木構造で分かりやすいので、大貧民の戦略を理解しやすくなった。さらに、その結果から、各プログラムのプレイのルールを抽出した。例えば、「場にカードが出ていない状態で、ダイヤの3とクローバーの3を手札として持っていれば、その2枚のペアを場に提出する」というような具体的なルールを抽出することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に示した通り、研究計画に示した内容の研究が実施できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、研究計画に示した内容の研究を着実に実施していく。
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