2019 Fiscal Year Annual Research Report
Feature extraction of multi-person imperfect information games by using data mining methods
Project/Area Number |
17K00297
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
西野 哲朗 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (10198484)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 知識発見とデータマイニング / ゲーム情報学 |
Outline of Annual Research Achievements |
多人数不完全情報ゲームにおける各プレイヤーの振る舞いを、ゲームの膨大な対戦記録から、データマイニングの手法を用いて明らかにした。具体的には、以下のデータマイニング手法を用いて、トランプゲームの大貧民の分析研究を行った。クラスター分析:行動パターンからプレイヤーを分類し、そのプレイヤーの全体的特徴を把握した。決定木分析:プレイヤーの戦略の論理構造を抽出し、プレイのルール(癖)を抽出した。以上の研究成果を統合し、人間の熟達者のように、相手のプレイの癖を見抜きプレイする大貧民プログラムを実現した。 コンピュータ大貧民においては、まだ、熟達した人の方が強い。本研究では、その熟達者のように相手のプレイの癖を見抜き、戦略を変更するようなプログラムを実現して、人のようにプレイするプログラムの構築を目指した。このような研究を通じて、人間のように思考する人工知能や、ヒトと親和性の高いコンピュータの設計原理にも迫れるものと考える。近年、コンピュータ将棋に代表されるゲームソフトの研究は、急速な発展を遂げている。 これらの研究成果を統合して、人間が多人数不完全情報ゲームをプレイするときの戦略決定プロセスを、決定木やニューラルネットとして表現する手法を確立できれば、これらの手法の応用先として、株式のシステムトレード(多人数不完全情報ゲームの一種と考えられる)に用いられているアルゴリズムの分析も考えられる。つまり、本研究の応用分野としては、人間との親和性の高い情報通信技術の開発や、人が飽きずに長く楽しめるゲームソフトの開発、株式のトレーディングなどの経済活動の分析など様々なものが考えられる。このような、情報科学、心理学、経済学などの幅広い学問分野に与える影響の大きさにおいて、本研究は波及効果が大きく、かつ、独創性と新奇性が高いものと考えられる。
|