2017 Fiscal Year Research-status Report
悪条件下での震災避難行動を支援するマルチエージェント防災システム
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17K00304
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
打矢 隆弘 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10375157)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 防災システム / マルチエージェント / UGV / UAV / ロボット |
Outline of Annual Research Achievements |
大震災などの災害時における避難支援に関する研究では,良条件(通信インフラが正常利用で きる,避難経路が視認できる等)を前提としたシステムの提案がほとんどである.しかし,現実 には機器故障・視界不良や悪路などの様々な悪条件が発生しうる. 本研究では,悪条件を想定した分散人工知能防災システムの設計・開発を行い,通信路の復旧, 避難経路の決定と避難誘導,要救助者の位置把握と発見等の避難支援を実現する.この研究により,大学キャンパスにおける防災能力の向上を達成する. 平成29年度は災害におけるネットワーク機器の被害が発生した状況で,通信路を早急に復旧する機構の設計と導入・評価を行った.
・通信断絶を想定したロボットによる無線通信経路確立確立手法の策定 被災による無線APの故障により通信不可なエリアが発生した際,通信断絶を早期に検知し,無線中継機により,隣接するAPから新たな無線通信路を確立する手法を導入した.本研究では,ロボットとマルチエージェント技術を組み合わせることにより,ロボットによる無線中継機の運搬と,人の手を介することの無い迅速な無線通信路の確立を実現した.提案システムは,無線中継機を運搬するためのロボット,AP監視処理を受け持つ管理サーバ,ロボットと管理サーバ上で稼動するエージェントシステム(AS)から構成される.飛行ロボットUAV(Unmanned Aerial Vehicle)はGPSを用い,フライトプランに基づく自律飛行を行う.UGV(Unmanned Ground Vehicle)は屋内マップを用い,自己位置推定に基づく自律移動を行う.また外界センサにより壁・障害物を避けて移動する.TurtleBot2をUGVとして用いた評価実験を実施し,迅速な無線通信経路の確立が可能なことを実証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の通り,システムの開発・運用・評価を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度以降の研究計画・方法に基づき,システムの開発と評価を行い,提案手法の有効性を示す.
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