2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K00308
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
川喜田 雅則 九州大学, システム情報科学研究院, 学術研究員 (90435496)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
實松 豊 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (60336063)
久原 重英 杏林大学, 保健学部, 教授 (60781234)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | MRI / 超解像 / 深層学習 / U-net / 多重解像度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の基本方針は深層学習超解像(SRCNN)をMRIに応用することである.SRCNNには畳み込みニューラルネットワーク(CNN)が用いられる.CNNにおいてはフィルタが重要な役割を果たしているが,SRCNNで用いられるフィルタサイズは画像より十分小さいことから,超解像においては高周波成分のみ扱っていたことがわかる.一方でMRIにおける高速化の手段であるアンダーサンプリングは,波数空間における観測をランダムに削減するため,MRIでは低周波から高周波まで様々な周波数成分を補償する必要がある.低周波成分を扱うにはフィルタサイズを大きくする必要があるが,フィルタサイズの増加はパラメータ数の増加に繋がり学習を困難にする. 我々のアイデアは低周波成分を捉えるためにフィルタサイズを大きくするのではなく,フィルタサイズを固定し画像を小さくすることで,相対的なフィルタサイズを大きくすることであった.大雑把に言えば様々なスケールで縮小した画像の復元過程をSRCNNで学習し,それらの復元結果を深層学習によって統合して復元画像を生成する.H29年度は各縮小画像毎の復元過程をSRCNNで学習する所まで行ったが,H30年度は各縮小画像に対するSRCNNからそれらの結果を統合する層まで一つのディープニューラルネットワークで実現する構造を提案した.この構造は画像セグメンテーションの研究で知られているU-netを参考に作成されている. 提案法の性能は頭部MRA画像を用いて検証した.アンダーサンプリングには低周波フルサンプリング+ポアソンディスクサンプリングを用いた.MRA画像の断面図を一枚ずつ提案法で復元し,上,横,正面の三方向でMIP処理した場合のPSNRや人の眼による比較を行った.その結果,既存の圧縮センシングに基づく方法やSRCNNをそのまま用いる場合と比較して画質が著しく改善されることを確認した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MRIの検査時間短縮に関しては当初の計画通り順調に推移している.一方で深層学習のモデル選択の追求は現状ではまだ有効なアイデアが出ていないが,こちらは野心的な試みであり,スケジュールを決めて進捗させるものではないため,遅延とはみなさなかった.
|
Strategy for Future Research Activity |
提案手法の既存手法との比較はハイパーパラメータの選択や用いるデータの影響を大きく受けるため,より詳細に比較を行い提案法の優越性や特徴を確認する.また,脳動脈瘤患者の復元画像について,医師が目視により十分な診断精度が得られるか検討を行う. またMRA画像の断面図一つ一つを復元するだけでなく,それらの間にある三次元構造を捉えて復元するディープニューラルネットワークを検討する.断面図に対して直交する方向に存在する血管は,断面図において非常に小さな点にしか見えず復元が困難である.しかし,連続した断面図を複数枚ディープニューラルネットワークに入力することで直交方向の血管を捕捉しやすくなると考えられる. さらにディープニューラルネットワークのハイパーパラメータの有効な選択法については引き続き検討を行う.
|
Causes of Carryover |
本研究計画においては遂行の過程で,当初の見込みより大きな計算機資源が望ましいことがわかった.そのため旅費の一部をGPUの追加購入資金に充当している.これにより当初の計画と多少のずれが生じていることが次年度使用額が生じた原因となっている. 今年度は共同研究者間の直接討議を可能な限りテレビ会議に回すことで旅費を節約してきたが,次年度は直接討議が必要な機会が増えると見込まれるため,次年度使用分はそれらに当てる計画である.
|
Research Products
(2 results)