2017 Fiscal Year Research-status Report
Simultaneous learning of spatial knowledge and decision making for real world agents
Project/Area Number |
17K00313
|
Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
上田 隆一 千葉工業大学, 先進工学部, 准教授 (20376502)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | エピソード上のパーティクルフィルタ / 空間とタスクの同時理解 / 教示 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はロボットで別々に扱われることが多い空間認識技術と学習技術を「記憶」をキーワードに統合し、新たなアルゴリズムを考案することを目的としている。平成29年度の計画では、ロボットが得たセンサ情報と実際に行った行動を記録した「記憶」に対して、記憶中の各部分と空間中の特徴を対応づける研究を行う予定を立てた。 平成29年度、実際に得られた成果は1)「教示のためのエピソード上のパーティクルフィルタ(教示のためのPFoE)」の実装と実験による有効性の確認、2)教示のためのPFoEで使う「記憶」のグループ化(クラスタリング)機能の実装と有効性の確認であった。1)の「教示のためのPFoE」は当初計画になかったものであるが、これによって、ロボットが自身のタスクと空間に対する知識を同時に学習する際の学習効率を大幅に向上させることが可能となった。本手法によって、マイクロマウス型のロボットが、ゲームコントローラで教示されたいくつかの動きを再現することを確認している。2)については、1)で作成した「教示のためのPFoE」に、記憶をクラスタリングするアルゴリズムを追加することで、ロボットがタスク中に、自身がタスクのどの段階にいるのかを認識できるようにした。また、この認識結果を使って、ロボットがタスク中に必要な行動をショートカットする問題を緩和することに成功した。 1)の成果を平成29年度9月に行われた日本ロボット学会学術講演会において公表した。また、IEEE International Conference on Robotics and Automation (ICRA2018)に採択され、平成30年度の5月に公表予定である。2)の成果は、平成30年度の日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会で公表予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画していなかった「教示のためのPFoE」が得られたことにより、ロボットが、空間の知識を持たない状況からの行動学習が容易になった。これにより、ロボットに与えるタスクのレベルが向上し、平成29年度内はシミュレーションのみでアルゴリズムを考案、検証する予定であったが、実機において学習しながら空間の知識を得ていくという過程を一部実現できた。また、予定していた2件の国内学会における発表を前倒しで行えた。さらに、採択されることが難しいことで知られるIEEE ICRAに採択された。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の成果についてより詳細な実験を行って投稿論文にまとめると同時に、PFoEで可能となるタスクの高度化と、より多くのタスク、ロボットに対するPFoEの適用を行っていく。当初計画で予定していた屋外移動ロボット(i-Cart mini)の他、マニピュレータ等への適用を検討する。 PFoEでできるタスクを高度化するために、教示で得られた記憶から環境の地図生成を行い、その上でタスクを達成するための行動則を獲得する手法を考案し、実機実験を行う。
|
Causes of Carryover |
主に国内学会の旅費を学校費から支出したことが理由で次年度使用額が生じた。使用計画については、採択された国際学会IEEE ICRA2018の旅費に充てる。
|