2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study on acceleration of large-scale crowd evacuation simulation using heterogeneous computer
Project/Area Number |
17K00328
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Research Institution | Shonan Institute of Technology |
Principal Investigator |
浅野 俊幸 湘南工科大学, 工学部, 教授 (40377594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板倉 憲一 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 付加価値情報創生部門(地球情報基盤センター), グループリーダー (00359217)
上原 均 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 付加価値情報創生部門(地球情報基盤センター), グループリーダー (00359225)
廣川 雄一 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 付加価値情報創生部門(地球情報基盤センター), 特任技術研究員 (30419147)
西川 憲明 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 付加価値情報創生部門(地球情報基盤センター), 特任技術研究員 (80415984)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | マルチエージェント / ヘテロジニアス / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
シミュレーションモデルの並列化による高速化を検討するにあたり、性能分析が必要となる。そこで、シミュレーションコードを細分化し、各処理区間の計算実行時間の測定を行い、性能情報をもとに並列化効率、通信処理等で計算効率を阻害しているボトルネック部分を特定した。ボトルネック部分ごとに性能向上手段として、通信処理の見直し、データコピー処理の改善等を実施した。次に、同一ノード内のスレッド並列化を試み、OpenMPを利用した並列化で性能向上を達成し評価した。 上記で検討・実装された大規模並列化技術は、複数のCPUのみで構成されたホモジニアスなスーパーコンピュータに実装して評価された。さらに本研究では、ヘテロジニアスな計算機を用いた大規模なマルチエージェントシミュレーションの高速化として、Boidモデルを利用して近年、高速演算装置として注目されているGPU等を備えたヘテロジニアスなスーパーコンピュータへの実装を試み、多階層並列処理によるロードインバランスの緩和策を提案した。具体的には、京コンピュータとヘテロジニアスなマルチプロセッシング(HMP)ユニットに向けて並列化手法を改良し、両システムでのパフォーマンスを評価した。改良した多階層並列化により、両システムでロードインバランスを効果的に軽減できることを確認した。HMPユニットでは計算負荷に応じて高性能コアと低消費電力コアを動的に切替えることにより、消費電力を効果的に制御できることを確認した。さらに、高性能コアと低消費電力コアを両方同時に使用した場合、理論演算性能が高くなるにも関わらず、低消費電力コアの処理待ちにより、却って計算が遅くなる可能性が明らかとなった。また、京コンピュータでは、リアルシミュレーションの実行が可能であり、世界最大となる3兆規模のBoidsモデルの計算が可能であることを確認した。
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