2017 Fiscal Year Research-status Report
Exploring the origin of the nervous systems : Experimental and theoretical study of evolution from epithelium systems to epithelium-nervous systems
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17K00330
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
黒田 茂 北海道大学, 電子科学研究所, 助教 (90431303)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 初期神経系 / 生物運動 / 数理モデル / 動画解析 / 進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請課題の研究目的は動きの進化の観点から、上皮のみの生物と上皮ー神経系を有する生物の力学的運動制御機構の共通点と理解を実験と理論の両面から目指すことである。言い換えると、初期神経系の進化の研究に関する実験的アプローチと理論的アプローチの両輪的同時進行を提案している。 初年度は(1) 実験に関してはヒドラおよび上皮ヒドラの動きの運動計測と動画解析を、(2) 理論面に関しては、上皮系運動モデルの構築として、溶液中での上皮 系運動モデルを構築することを、研究計画として提案していた。 本申請課題の重要な実験的アプローチの一つとして、神経系の誕生という進化上の分岐点の直前直後に位置する生物の運動計測と動画解析がある。このことに関連して、幸運にも無神経多細胞生物である海綿の収縮伸張運動に関する共同研究を行う機会を得ることができたので、(1)の実験的なアプローチに関してはそちらを優先した。海綿は現生の生物種の中で最も高度に組織化された無神経の多細胞生物の一つである。この生物が一定リズムをもって全身の収縮弛緩をする様子やその他の興味深い条件下でのデータを取り扱うための解析アプリケーションの開発と予備的なデータ解析を行った。 (2)の理論的アプローチについては、予定していたモデル構築の前段階として数種のプロトタイプモデルを構築し、環境と身体との相互作用についての知見の蓄積を行った。2年目となる今年度はこれらの知見をベースに提案した計画を着実に実現していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新たな生物種(海綿)の解析を追加したので当初の計画はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は実験観察を推し進めるとともに、実験観察により得られた知見を取り入れつつモデルの構築も進めていく。
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Causes of Carryover |
所属機関の異動による必要実験機器購入の変更と購入時期の変更による。今年度使用予定。
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