2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K00335
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小野 功 東京工業大学, 情報理工学院, 准教授 (00304551)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ブラックボックス最適化 / 大域的多峰性 / 関数最適化 / 巡回セールスマン問題 / 進化計算 / 自然進化戦略 / 直接政策探索法 / 大規模最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は,多峰性を有する大規模ブラックボックス最適化問題において良質な未知解の発見を可能とする高性能最適化基盤を構築することである.今年度の主な研究成果は以下の研究1~5のようにまとめられる. 研究1では,大域的多峰性関数最適化のための自然進化戦略に基づく新たな進化計算手法を提案した.代表的な大域的多峰性を有するベンチマーク問題において,最も有力な既存手法の1つであるISMよりも,提案手法は高い確率で最適解を発見できることを確認した. 研究2では,多峰性,悪スケール性,変数間依存性を有する非明示制約付き関数最適化のための新たな自然進化戦略を提案した.多峰性,悪スケール性,変数間依存性を有する無制約/非明示制約付のブラックボックス関数において,提案手法は,最も有力な既存手法であるDX-NESおよびCMA-ESを凌駕する探索性能を示すことを確認した.また,1,000次元以上の高次元問題に対してもスケールするようにアルゴリズムの検討を行った. 研究3では,大規模巡回セールスマン問題のための希少形質に着目した並列遺伝的アルゴリズムを提案した.7,397都市から56,769都市までのベンチマーク問題において,最も有力な既存手法である並列GA-EAXよりも,提案手法は高い確率で最適解または既知最良解を発見できることを確認した. 研究4では,政策の探索と活用を考慮した多峰性景観環境のための直接政策探索法を提案した.騙しのある多峰性景観を有するPOMDP環境での連続タスクであるベンチマーク問題において,提案手法が有力な既存手法を上回る性能を示すことを確認した. 研究5では,複数車種の構造設計の多目的同時最適化問題のための転移学習に基づくマルチスタート自然進化戦略を提案した.提案手法は,複数車種の構造設計の多目的同時最適化問題を対象とした進化計算コンペティション2017において優勝した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度は,大域的多峰性関数最適化のための自然進化戦略に基づく新たな進化計算手法を提案し,数値実験により既存手法よりも良好な性能を示すことを確認した.また,多峰性,悪スケール性,変数間依存性を有する非明示制約付き関数最適化のための新たな自然進化戦略を提案し,数値実験により既存手法を凌駕する探索性能を示すことを確認した.以上より,当初の目的を達成できたと考えている. さらにこれに加えて,1,000次元以上の高次元問題に対してもスケールするように自然進化戦略の改良を検討した点,TSPにおいて大域的多峰性に起因すると考えられる探索の困難さに対処するために希少形質に着目した並列遺伝的アルゴリズムを提案して数値実験によりその有効性を確認できた点,政策の探索と活用を考慮した多峰性景観環境のための直接政策探索法を提案して既存手法を凌駕する性能を示すことを確認できた点,複数車種の構造設計の多目的同時最適化問題のための転移学習に基づくマルチスタート自然進化戦略を提案してコンペティションにて他手法を凌駕する性能を示すことができた点を考慮して,当初の計画以上に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は,平成29年度に提案した大域的多峰性関数最適化のための自然進化戦略に基づく進化計算手法をさらに発展させて,大域的多峰性のより強い問題も解決可能な新たな手法の提案を行う予定である.また,平成29年度に検討を行った高次元問題のための自然進化戦略をさらに発展させて,さらなる探索の効率化を行う予定である.平成29年度に提案した複数車種の構造設計の多目的同時最適化問題のための転移学習に基づくマルチスタート自然進化戦略についてもさらに発展させて,より汎用性の高い手法に改良する予定である.さらに,平成29年度の研究成果を学術論文にとりまとめて論文誌に投稿する予定である.
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Causes of Carryover |
・理由 学術論文の投稿が間に合わなかったため. ・使用計画 学術論文の掲載料および別刷り料に充てる予定である.
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Research Products
(7 results)