2020 Fiscal Year Research-status Report
A Study on an Efficient Searching Procedure for Genetic Programming
Project/Area Number |
17K00339
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
大木 誠 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (00263484)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 多数目的Genetic Programming / 分部サンプリング変異 / 木構造最適化問題 / 組合せ最適化問題 / 多数目的最適化問題 / ベンチマーク問題 / 進化計算 / 遺伝的アルゴリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
●木構造を配列で表現し、木構造最適化の高速化を図った。木構造を表現するために従来はリスト構造を用いられていたが、これを配列により表現し、木構造を構成するノードや枝に高速にアクセスできる仕組みを確立した。これにより、コード量およびデータ量の大幅な削減が可能となり、木構造へのアクセス速度を大幅に向上させた。●多数目的GPのための効果的な探索(交配)操作として「部分サンプリング」を提案し、その有効性を確認した。さらに部分サンプリングの操作を簡素化する手法を提案し、探索効率を向上させた。●多数目的GPのための新しいベンチマーク問題として、多数目的ナップサック問題におけるアイテム選択ベクトルを、木構造による解析関数によって与える問題を提案し、多数目的GPアルゴリズムの性能評価を効果的に行えるようにした。●多数目的GPベンチマーク問題に対して、NSGA-IIやSPEA2などの支配ベースの進化計算法の有効性を実証した。これらの支配ベースのアルゴリズムは、4目的以上の多数目的最適化問題に対しては有効に働かないと考えられていたが、実際に多数目的GPベンチマーク問題に適用したところ、少なくとも10個以下の目的を有するGP問題に対する一定の有効性が示された。●4個以上の目的を有する多数目的GP問題に対して、NSGA-IIIおよびIGDベース進化アルゴリズムなどの参照点ベースの進化計算法を適用し、それらの有効性を明らかにした。これらのアルゴリズムでは、多数次元目的空間における多数の一様な参照点を必要とするが、新しい参照点集合生成手法を提案し、参照点ベースの進化計算法の探索効率を向上させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
●GPに対して効果的な探索(交配)法である部分サンプリングの手法を確立させることができた。●アルゴリズムの実証実験に欠かせない有意義なベンチマークを提唱できた。●NSGA-IIおよびSPEA2などの支配ベース進化計算アルゴリズムによる実証実験に成功した。またこれらの有効性を示せた。●NSGA-IIIやIGDベース多数目的最適化アルゴリズムなどの参照点ベース進化計算アルゴリズムのための新しい参照点集合生成手法を提案し、最適化効率の向上に成功した。
●COVID-19の世界的な感染拡大の影響を受け、国内外の研究者との直接的な交流が行えず、オンラインでのみの活動となったため、当初の予定より、研究を進めることができなかった。●しかし昨年度の経験から、オンラインでの研究者コミュニティがある程度確立され、一昨年までよりは小規模ではあるが研究交流や意見交換が行えるようになったため、今年度における研究進捗が可能であると予想される。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年に発表されたIGDベース多数目的進化アルゴリズムでは、最適化繰り返し(世代)の探索点集合に適応して多数の参照点集合を生成するが、これでは毎世代での計算コストが膨大になる。これに対して、参照点集合の代わりに探索点集合に適応した超平面を解析的に導出し、この超平面に対するIGDに基づいて最適化進行させるアルゴリズムを構想中である。これを具体化し、有効性を実証する予定である。さらに昨年度に提案した新しい参照点集合生成手法を発展させて、ユーザ志向を取り入れるようにすることで、多数目的GPの探索効率向上を図る予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19の世界的感染拡大の影響で、国内外の研究者との研究打ち合わせなどの交流機会が持てなかったため、研究の進捗を阻害したが、今年度にはオンラインによる交流・情報交換の機会をもち、また物品購入により研究環境補強を図ることで、本研究課題を遂行する予定である。
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