2018 Fiscal Year Research-status Report
配送計画問題に対する制約指向メタ戦略システムの開発
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17K00342
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
永田 裕一 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 准教授 (70334795)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 車両配送問題 / 最適化システム / 3Dパッキング |
Outline of Annual Research Achievements |
地元企業との共同研究でこの会社で必要な配送業務の最適化を行うシステムを構築した.具体的には徳島県内の配送業務に携わる企業のインタビューに基づき行った.問題のモデル化は時間枠付き車両配送問題(VRP with Time Window, VRPTW) をベースに必要な制約を加えて行った.また,ベンチマーク問題として徳島県内100個所の公共施設を配送先とする問題例を作成した.さらに,実際の2地点間の移動時間や移動距離などの情報はゼンリン社のデジタル地図情報から取得して,現実に近い状況を反映した問題を作成した.モデリングした実制約付き車両配送問題の解法として,本研究ではタブー探索とIterated local search を基本とした探索手法を考案した.さらに,配達途中に注文される追加配送に対して対処するための動的スケジューリングシステムを構築した.開発したシステムに関する論文を学会誌に投稿して受理された. 上述のシステムをより現実的なものとするために,配送荷物の3Dパッキングを考慮した最適化問題(3L-CVRP)として問題の定式化を行った.これまでに,パッキングする際の容器の空き空間(Free Space)に着目した手法を提案し3Dパッキングを高速に行うための高速アルゴリズムを考案して,ベンチマーク問題で有効性を確認した.車両配送問題の解法としては単純なタブ探索を利用し,考案したパッキングアルゴリズムと組み合わせて解法を構築した.従来3Dパッキングを考慮した車両配送問題はパッキングと配送経路の最適化を分離するものが多かったが,現在は両者を同時に進める方式に開発を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ある一企業で必要とされる配送計画問題を最適化問題として定式化し,これに対する近似解(ユーザーに提案する推薦経路)を地図上に表示するまでの一連のシステムが完成した.この内容に関する論文を学会誌に投稿して受理された.
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Strategy for Future Research Activity |
現状では,必要とされる配送経路問題に対して,人手で必要な制約や目的関数をアルゴリズムに組み込み,さらに適切なアルゴリズム(メタ戦略)を設計する必要がある.今後はモデリング言語を用いてユーザーが解きたい配送計画問題をモデル化し,システムは定式化された問題をメタ戦略が適用可能な形式に自動的に再定式化する.具体的にはモデリング言語で入力した配送計画問題に矛盾がないかチェックした後,問題の実行可能解を表現するのに適した「型」を自動生成する方式を開発する.また,型のインスタンスとして表現される解候補に対して目的関数値を自動計算する方式を開発する. メタ戦略が適用可能な形式に再定式化された任意の配送問題に対して,その問題を効率的に解くためのメタ戦略アルゴリズムを自動構成する.これまで,与えられた問題に対して,メタ戦略アルゴリズムを自動構成する研究は行われていたが,今回の研究では定式化される問題ごとにメタ戦略アルゴリズムを自動構成する.
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Causes of Carryover |
予定していた国際学会に参加しなかったため次年度使用額が生じた.その分の予算は翌年度の物品購入に充てる予定である.具体的には構築する最適化システムの実行をGPU化するため,高性能GPUを搭載したPCを購入する.
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Research Products
(4 results)