2019 Fiscal Year Research-status Report
配送計画問題に対する制約指向メタ戦略システムの開発
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17K00342
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
永田 裕一 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 准教授 (70334795)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 遺伝的アルゴリズム / 巡回セールスマン問題 / 絵画的迷路作成問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
配送計画問題を簡略化した問題である巡回セールスマン問題の近似解法として非常で有効であると知られる交叉EAXを用いた遺伝手アルゴリズム(GA)の探索性能をさらに改善する工夫として,集団の多様性維持を適切に評価するアイデアを考案した.提案した多様性指標はGAの個体の解表現が順列で表されている場合に汎用的に応用することができる.従来の多様性指標は変数間の依存関係を考慮しないエントロピーとして定義されていたが,提案する多様性指標は変数間の高次の依存関係を考慮したエントロピーとして定義した.また,どこまで高次の依存関係を考慮するか,および高次の依存関係を考慮することにより生じる問題点を軽減するアイデアを導入し,これらを適切に考慮することで,効果的な多様性指標を構築できることを示した.この結果,交叉EAXを用いたGAの探索性能を大幅に改善することができた. 交叉EAXを用いた遺伝手アルゴリズム(GA)のアイデアを絵画的迷路作成問題に応用した.絵画的迷路作成問題とはユーザーの与えた白黒ピクセル画像に対して,正解路がこれになるべく類似した迷路を作成する問題である.本研究では絵画的迷路作成問題と巡回セールスマン問題の類似性に着目して,交叉EAXをこの問題に適用できるように改良した.この結果,例えば,サイズ100×100の複雑なピクセル画像に対しても,所望の絵画的迷路を10秒程度で生成することが可能となった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
配送計画問題のと類似した問題である巡回セールスマン問題に対して開発されている手法を改良する手法,および他の問題に応用する手法を考案し,これらの成果を有力国際雑誌に掲載することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
現状では必要とされる配送経路問題に対して,人手で必要な制約や目的関数をアルゴリズムに組み込み,さらに適切なアルゴリズム(メタ戦略)を設計する必要がある.今後はモデリング言語を用いてユーザーが解きたい配送計画問題をモデル化し,システムは定式化された問題をメタ戦略が適用可能な形式に自動的 に再定式化する.具体的にはモデリング言語で入力した配送計画問題に矛盾がないかチェックした後,問題の実行可能解を表現するのに適した「型」を自動生成 する方式を開発する.また,型のインスタンスとして表現される解候補に対して目的関数値を自動計算する方式を開発する.メタ戦略が適用可能な形式に再定式化された任意の配送問題に対して,その問題を効率的に解くためのメタ戦略アルゴリズムを自動構成する.これまで,与えられた問題に対して,メタ戦略アルゴリズムを自動構成する研究は行われていたが,今回の研究では定式化される問題ごとにメタ戦略アルゴリズムを自動構成する.
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Causes of Carryover |
2019年度内に開催される国際会議及び国内会議に参加する予定であったが,研究の過程で必要な定式化とプログラムの 開発に困難が生じたため,開発に予想以上の時間を要してしまい,次年度の使用額が生じた.開発した手法について,2020年11月以降に行われる国内会議,および2020年12月に行われる国際会議で成果発表を行う旅費として使用予定である.
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Research Products
(2 results)