2021 Fiscal Year Annual Research Report
Study on neural network model of medial temporal lobe as brain of a rat type robot
Project/Area Number |
17K00344
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
立野 勝巳 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 准教授 (00346868)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | スパイキングニューラルネットワーク / 内側側頭葉 / 海馬 / 嗅内皮質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本プロジェクトでは、移動ロボットをラットにみたて、その頭脳として嗅内皮質と海馬からなるスパイキングニューラルネットワークモデルを提案する。嗅内皮質と海馬を結合したニューラルネットワークは、大規模な連立微分方程式を数値解法により解く必要がある。大規模なスパイキングニューラルネットワークを高速で処理できるように、Graphics Processing Unit(GPU)を用いたニューラルネットワーク並列計算用ライブラリ(cusnn)を整備した。結合確率5%のスパース結合でシナプス遅延1msとしたニューラルネットワークであれば、20万ニューロンまでの実時間計算が可能であることを確認した。シナプス伝達遅延が3ms以上ある場合には、さらに規模の大きな計算も実行できる見込みであることも確認した。ニューロンモデルとして、積分発火型モデル、Izhikevichモデル、Hodgkin-Huxleyモデルをサポートする。 移動ロボットと計算機上の嗅内皮質―海馬ネットワークモデルを接続し、ロボットの頭方位と移動速度を入力として、実時間で海馬に場所細胞を形成できることを確認した。嗅内皮質―海馬ネットワークモデルは、嗅内皮質の格子細胞を備え、経路積分によって海馬に場所細胞を形成する約5万ニューロンからなるニューラルネットワークである。ロボットを接続するにあたり、データサンプリングなど計算機シミュレーションにはない特有の問題を解決した。 においの識別のため、複数のガスに対する複数の市販の半導体センサの応答特性を調べ、におい識別用のスパイキングニューラルネットワークモデルへの適用可能性を調べた。 上記モデルに加え、神経生理学的知見に忠実な神経細胞モデルとして、錐体細胞の形態を模倣したニューロンモデルでCA3神経回路モデルを作成し、時間細胞様の活動電位の伝搬特性を再現するシミュレーションを行った。
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