2018 Fiscal Year Research-status Report
Robot motion recognition and generation reflecting natural language expression of information from human co-worker
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17K00362
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
小林 祐一 静岡大学, 工学部, 准教授 (60373304)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 自然言語による識別 / ロボットのタスク実行 / タスク・サブタスクの階層関係 / 依存関係の推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
人と環境を共有しながら協働するロボットに,タスクの実行状況を自然言語により識別する能力をもたせる方法を研究開発した.2018年度は,前年度までに構築したタスク表現をベースにしながら,タスク実行状況と文章データとを結びつける方法を考え直し,より大規模のデータに対しても適用な可能な枠組みとするための方法を考案・評価した. データ収集側では,ロボットのタスク実行状況を撮影した動画を利用し,クラウドソーシングによる文章データの収集を行った.これにより,一つの動作に対して150-300文程度の文章を収集することが可能になり,大量の文章データをもとに自動的に文章の識別を行うことが可能になった. 自然言語による文章とカテゴリ(ロボットの動作実行状況)を対応づける方法に関して,これまでの方法での文章とカテゴリ(タスクに成功・失敗した等)の対応づけという単純な結びつけ方法から,それぞれのサブタスクの実行状況との結びつけを評価する枠組みに変更を行った.具体的には,昨年度考察したHTN(Hierarchical Task Network)というタスク-サブタスク間の階層関係を記述するタスク表現方法をベースにして,各サブタスクの実行状況について「実行」「未実行」「文章からは判断できない」という3種類の離散信号を対応させる.各サブタスクについて,対応づけを学習する際に,タスクのもともと持っている順序制約などの条件を取り込む方法について検討した. またこれらの動作識別方法の開発と並行して,ロボットの動作の際にタスクの成功・失敗に関する要因を推定する研究を行った.具体的には,画像特徴からタスクの成功・失敗に関わる予測に関する検討を行い,ロボットの動作を知覚する複数のセンサ情報をもとに,情報間の依存関係の推定を行う動作学習方法を開発した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度までの進捗において課題となっていた,「タスクの階層性」,つまり,あるタスクをより細かいタスク(サブタスク)に分割することができる場合に,自然言語の文章が,そのタスク・サブタスクのどの部分について言及しているのかを特定する方法について,人の設計知識に過剰に依存せずに推定する方法について一つのアプローチを見出すことができた.この点で一つの進展があった.また,この研究プロジェクトにおいては,「ロボットのタスク実行状況の識別」という問題の背後にある「タスク成功・失敗の要因の推定」という課題があり,研究計画には明示していないものの長期的な視点では重要な意味をもつ研究課題と考えている.この課題についても,依存関係の推定という枠組みを検討し評価することができた点での進展があった.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の中核となるタスクの実行状況識別について,2018年度に考案した「サブタスクの実行・未実行・不確定」という3種類の識別方法をベースにしたタスク実行状況の識別を継続して検討・検証する.タスクに関する構造的な制約(あるサブタスクが実行されているということからその前のサブタスクが実行済みとわかる,など)を反映した識別を行う方法として,ベイズ則のように事前分布を利用する方法を検討する.最終的な人との対話によるデモンストレーションを当初の目標としていたが,ロボットの動作デモンストレーションよりも本質的に重要と考えられる「タスク-サブタスク等のタスク構造を考慮した自然言語による識別」という課題をより深く掘り下げることに注力する.Gibbsサンプリングなどのサンプリングをベースにした確率分布推定法などを実装・検証し,大規模なデータのもとで有効に機能する枠組みを構築することを目標とする.
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Causes of Carryover |
共同研究先のミュンヘン工科大学との実験環境の共有により,研究室内の実験設備を使用せずにロボット動作生成実験を行うことができた.このため,実験設備の整備・購入に予定していた予算の使用が当初予定よりも少なくなった.また,データ収集に関しても,連携研究者(高野渉)の協力を得てクラウドソーシングを行うことにより,低コストでのデータ収集を行うことができた. 今年度は,申請者研究室内でのロボット動作実験のための設備整備・実験費用および共同研究先との打ち合わせ,論文投稿費用などが必要となるため,上記の予算をこれらの目的に使用することを計画している.
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Research Products
(5 results)