2019 Fiscal Year Research-status Report
Motion/Force Control of Humanoid Robot Based on Reaction Null Space
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17K00371
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
佐藤 大祐 東京都市大学, 工学部, 准教授 (40344692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Dragomir Nenchev 東京都市大学, 工学部, 教授 (80270809)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 知能ロボティクス / モーションプランニング / ヒューマノイドロボット / モーション・フォース制御 / 反動零空間 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ヒューマノイドが実用的な力作業を実現する上で必要とする、全身の姿勢維持しながら、作業対象、環境、利用する道具、そのほかの作業条件に適した全身運動を積極的かつ力動的に実現できるモーション・フォース複合制御法の開発である。ヒューマノイドによる力作業では、作業のために接触部における力と運動の同時制御を実現するとともに、転倒回避のための全身の姿勢維持と作業に適した全身姿勢を取って積極的に活用することが重要であり、本研究では、幾何学的冗長性を有するヒューマノイドの四肢に対して、反動零空間(Reaction Null Space: RNS)に基づくモーション・フォース複合手先動力学制御手法(以降:RNS手先動力学制御手法)を開発し、シミュレーションと実際のヒューマノイドの実作業に適用し、その有効性を検証することである。 令和元年度は、前年度の研究代表者の在外研究による本課題の一時中断によって生じた研究計画の遅延を見直し、本研究計画を再考した。そして、令和2年度まで研究期間を延長して課題を遂行するとした上で、令和元年度内に実現可能な以下の研究計画を進めた。 (1) 現有の小型人型ロボットの両足先に、購入した小型力覚センサを装備させ、作業時に四肢に加わる力・モーメントを計測可能にした人型ロボットの制御システムの構築 (2) 片腕・両腕を用いた壁面の清掃作業に対するモーション・フォース複合制御および反動制御の動力学シミュレーションの実現 (3) 傾いた斜面上や複数の接触面内など、複雑な作業環境下での力作業を実現するため、全身運動の制御モデルに接触レンチ分配手法GIWC-GIを導入したモーション・フォース複合制御と内力制御の動力学シミュレーションによる検証
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和元年度の計画では、研究の遅延を取り戻すための計画の再検討と、平成30年度までに完了していなかった(1)両足先に購入した小型力覚センサを装備させ、作業時に四肢に加わる力・モーメントを計測可能にした小型人型ロボットの実験システムを構築すること、(2)片腕を用いた壁面の清掃作業に対するモーション・フォース複合制御および反動制御実験による実作業における有用性の検証、(3)直立中に片腕および両腕を用いた窓やホワイトボード、ライトの清掃作業や、机拭き作業への適用を検討し、垂直面上および水平面上における片腕および両腕のモーション・フォース複合制御と内力制御の作業実験を行うこと、(4)円筒形や球面の曲面での作業モデルを動力学シミュレータへ導入し、曲面上のモーション・フォース複合制御と内力制御を動力学シミュレーションと実機実験により検証することに取り組んだ。 しかし、(1)が基礎動作確認の段階まで、(2)~(4)については、片腕を用いた壁面の清掃作業と両腕を利用した箱把持作業に対するモーション・フォース複合制御および反動制御の動力学シミュレーションの実現と、傾いた斜面上や複数の接触面内など、複雑な作業環境下での力作業を実現するため、全身運動の制御モデルに接触レンチ分配手法GIWC-GIを導入したモーション・フォース複合制御と内力制御の動力学シミュレーションによる検証までにとどまっており、前年度に計画した8割程度の実現内容となったことから、上記の自己点検評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の令和2年度の研究計画では、研究課題において最重要の課題である、ヒューマノイドが実用的な力作業を実現する上で必要とする、全身の姿勢維持しながら、作業対象、環境、利用する道具、そのほかの作業条件に適した全身運動を積極的かつ力動的に実現できる反動零空間に基づくモーション・フォース複合手先動力学制御手法を開発し、シミュレーションと実際のヒューマノイドの実作業に適用し、その有効性を検証すること」に注力し、実際のロボットはHOAP-2までを最低限の実現課題とする。当初計画に含まれていた連携研究者所有のヒューマノイドHRP-2に対する本制御理論の適用は、課題の進捗状況で実施を検討することとする。具体的には以下の項目の遂行する。 (1)片腕・両腕を用いた壁面の清掃作業に対するモーション・フォース複合制御および反動制御の実機実験 (2)傾いた斜面上や複数の接触面内など、複雑な作業環境下での力作業を実現するため、全身運動の制御モデルに接触レンチ分配手法GIWC-GIを導入したモーション・フォース複合制御と内力制御の実機実験 (3)RNSに基づく冗長解法を利用した全身運動と四肢の接触レンチ制御の理論を確立し、人型ロボットの制御コントローラを開発し、実験機によって有用性を確認する。 (4)ステップや歩行を伴う片腕・両腕を用いた窓やホワイトボードの清掃作業やテーブルや机拭き作業への本制御手法の適用
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Causes of Carryover |
平成30年度の1年間、研究代表者が所属機関における教員特別長期研修に派遣され、本研究課題とは直接的には関連しない在外研究課題を進めることとなり、本研究課題の活動を一時中断せざるを得ない状況となった。このため、当初の本研究課題の研究計画を大きく変更する必要が発生したことが、次年度使用額の生じた理由である。 令和2年度の使用計画は、基本的に当初の研究計画にある費目別の使用額に添って実施するが、小型人型ロボットの機構部品費および製作費、そのほかの実験用機械・電気電子部品費なども年度開始時点で支出予定である。コロナウイルスの影響が最小限となるよう問題があれば適宜改善を図り、研究課題を完了する予定である。
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Research Products
(8 results)