2018 Fiscal Year Research-status Report
インターネット上の大規模データの解析による色彩調和論再考
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17K00379
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
深井 英和 岐阜大学, 工学部, 助教 (50324281)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 色彩調和論 / 大規模データ解析 / Moon & Spencer の色彩調和論 |
Outline of Annual Research Achievements |
色彩の調和についてはこれまで数多くの法則性が報告されている.なかでも Moon & Spencer により提案された色彩調和論は広く認知されており,それまで定性的にしか議論されていなかった色彩の調和を初めて定量的に示したものとしても重要である.ただし,Moon & Spencer の色彩調和論について妥当性が検証された例は我々の知る限り存在しない.本年度は,不特定多数の者が美しいと感じるパレット(色の組み合わせ)を自由に投稿および閲覧できるインターネットサイトから取得した大規模データの解析により Moon & Spencer の色彩調和論の妥当性を検証した.Moon & Spencer は,マンセル色空間の色相,明度彩度の軸における色の相対位置においてそれぞれ調和領域と不調和領域を定義した.また,Birkhoff の「美度」の計算式を色空間に適用した.我々は,得られた RGB 色空間のデータを変換し,Moon & Spencer の定義に従って「調和」「不調和」「美度」の値を求め,大規模データの統計を求めた.その結果,Moon & Spencer が定義した「美度」には一定の妥当性が認められたが,「調和」と「不調和」の分類については妥当性が確認できなかった.Moon & Spencer の色彩調和論は最も認められている色彩調和論のひとつであるが,再考の余地があると考えられる.これらの結果をまとめたものは,第50回日本色彩学会全国大会の発表に応募し,採択され,2019年6月に発表予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データの解析により一定の結果を得ることができ,結果を日本色彩学会全国大会にて発表を予定している.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きこれまでの解析を行うと共に,テンソル解析を取り入れた解析を進める.これらの結果を国際会議および論文誌に投稿する.
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Causes of Carryover |
2018年度は他の研究プロジェクトにエフォートを割かざるを得ず、本プロジェクトについては一定の進捗しか得ることが出来なかった。また、購入予定の実験器具が高価であったため前年度の予算では購入が出来なかった。本年度は、本年度の予算に前年度の繰り越し予算を加えて該当実験器具を購入する予定である。
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Research Products
(1 results)