2019 Fiscal Year Annual Research Report
Assessment of social skills for developmental disorders by neuroscience-based EEG analysis
Project/Area Number |
17K00383
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
河野 英昭 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (00404096)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | スパイキングニューラルネットワーク / 自閉症スペクトラム / ミラーニューロンシステム / 脳波 |
Outline of Annual Research Achievements |
自閉症スペクトラム(Autism Spectrum Disorder:ASD) は発達障害の1つで,主な症状として,対人関係の形成が難しい,ことばの発達に遅れがある,想像力や柔軟性が乏しく,変化を嫌うということがあげられる.ASDには有効な治療法が確立されていないものの,日常的に運動を行うことで運動能力の向上だけでなく,社会的スキルの向上を促し,ASDの症状を改善することが報 告されている. 一方で,ASDはミラーニューロンシステム(MNS)と関わりがあることが知られている.ASD患者は行動の模倣時に健常者と比べて,ミラーニュ ーロン領域が比較的低い活性を示す傾向にある.神経心理学の分野では,MNSは,表情によるコミュニケーションと関連があるとされている.MNSの原理は,1990年代にRizzolattによって導入された.彼は猿が自ら行動した時と,別の猿が同様の行動をしているのを観察した時に,脳の類似の領域が活性化することを発見した.脳におけるこの領域をミラーニューロンという.また,人におけるMNSは機能的磁気共鳴画像法(fMRI)のデータを用いた実験によって確認された. 近年,時空間脳波データ(STDB)やfMRIなどの時間特性と空間特性の両方を捉えることができるNeuCubeと呼ばれる脳を模した Spiking Neural Network (SNN)アーキテクチャが提案されている.NeuCubeは,STDBマッピング,学習,分類,視 覚化を行うためのプラットフォームである. 本研究では,健常者と,継続的に運動をしているASD 患者,および運動をしていないASD 患者を被験者として,顔表情の知覚時と模倣時の脳波データを調べる.被験者ごとに顔表情知覚時と模倣時の脳波データの差分を計算,可視化することにより,ミラーニューロンの活動を確認する.
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