2017 Fiscal Year Research-status Report
Novel mapping method of musical chords and investigation of its psychoacoustic and neurophysiological basis.
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17K00389
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
根本 幾 東京電機大学, 情報環境学部, 教授 (40105672)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 音楽 / 和音 / 周波数比 / 周期比 / 協和度 |
Outline of Annual Research Achievements |
和音の認知,特にその協和度の認知の研究において,周波数比と比較して周期比は等閑視されてきたと言わざるを得ない.ピッチの知覚に対して周期の認知は重要であることが認識されているのだから,和音においても周期比は重要なはずである.我々は,両方の比を同等に扱って,簡単に図示する方法を考案した.既約な周波数比を構成する自然数がf1<f2<f3であるとき,Sf=1/f3を周波数比の単純度と定義する.周期比Spも同様に定義する.和音の構成音は高調波(harmonic)音列,および分数高調波(sub-harmonic)音列より選ぶ.前者は基音の周波数のk(自然数)倍の音列,後者は基音の周期のk倍の音列である.ただし1オクターブ以内に収めるため,適当な自然数nを用いて周波数および周期を1/2^n 倍する.これによりmaj (長三), min (短三), dim (減三), aug (増三)和音をそれぞれの音列で作ってSf, Spを求めてプロットする.たとえばmaj_H, maj_SHはそれぞれ高調波系列,分数高調波系列による長三和音を表す.Sf-Sp平面内にこれらの和音をプロットすると,maj_Hとmin_SHの組み合わせが,異なる2和音で(直線Sf=Spに関して)線対称な唯一の組み合わせであることが分かった.他の対称な組み合わせは,dim_SHと dim_Hやaug_Hとaug_SHなどのように同じ種類の和音の,違う音列による表現を用いた組み合わせであった.七の和音についても同様な解析を行ったところ,異なった2種の和音で対称な位置にある対は,Mm7(属7)_Hとhdim7(半減7)_SHの組み合わせのみであった.この結論が和音の認知の行動学的および神経生理学的側面とどのような関係があるのか,重要で興味深い問題であるので,今年度より取り掛かりたい.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大体の検討をつけて開始した和音プロットに対する研究であるが,その詳細な点までの確認をすることができた.神経生理学的な研究が進んでいないように見えるが,実は前回の科研費での研究である旋律認識の研究の続きを,和声に重点を置いて進めているので,上には成果としてまだ書いていないが,その方向にも進捗している.これはA, B二通りに錯聴可能な多義的旋律の研究で,聴者がA, Bを聞いたときの脳活動の差を検出しようとするものである.このとき元になる旋律が長三和音,短三和音であるときの違い(差の差)を調べた.これは和音の2次元プロットに結びつくかもしれないと考えている.そういう意味で,紆余曲折ではあるが道を見つけつつある.
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Strategy for Future Research Activity |
方向として二つある.上述のように和音のプロット研究の投稿にまだ成功していないので,その努力をすることである.今までは心理学関係の論文誌に投稿を試みたが,工学者である私とは言葉も思考形態もかなり違って苦労したので,もう少し理工学的な傾向の雑誌に投稿しようと考えている.神経生理学的な研究としては,岡崎の生理学研究所でMEG測定を行う.上述のように多義的旋律を用いた研究(分散和音を用いてることになる)と,和音そのものを振幅変調して各構成音に対する反応の強さを調べる.来年度はこれらの結果を総括して,和音の2次元プロットが神経生理学的な結果とどう結びつくのかを考察する.
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Research Products
(6 results)