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2020 Fiscal Year Research-status Report

Improvement in Diversity of Music Composed by the Automatic Composition System Adapting the Personal Sensibility

Research Project

Project/Area Number 17K00390
Research InstitutionTokyo City University

Principal Investigator

大谷 紀子  東京都市大学, メディア情報学部, 教授 (70328566)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2022-03-31
Keywords自動作曲 / 感性モデル獲得 / 進化計算アルゴリズム / 音高決定 / 分散和音 / 演奏表情
Outline of Annual Research Achievements

近年のJPOPなどでは,意図的にアボイドノートを使用して一時的に不快感を与えることで,曲に多様性やストーリー性を持たせることがあるが,アボイドノートがメロディ上で長い音や目立つ音として使われると,違和感を覚えることが多い.現行の自動作曲手法では,和音と協和しないアボイドノートが必要以上に含まれるという問題点があった.また,順次進行を基本としてメロディを生成していたため,起伏がなく単調に感じられる楽曲を生成する傾向にあった.以上の問題を受け,本年度は,既存楽曲におけるメロディの曲調や雰囲気をより楽曲に反映することを目的として,和音進行およびメロディの音高列から状態遷移を学習したマルコフモデルを用いて音高を決定する手法を提案した.従来手法では登場し得なかった経過音を含み,多様性のある楽曲を生成できるようになった.
また,現行の自動作曲システムで生成された楽曲の和音進行部分をすべて同時和音で演奏していたが,和音進行の演奏方法には曲調が大きく反映されていると考えられるため,入力した既存楽曲の和音進行の演奏方法を学習し,生成した楽曲の和音進行の演奏方法を決定する手法を提案した.同時和音に加え,アルペジオ上昇型,アルペジオ下降型,アルベルティ単音型,アルベルティ和音型の分散和音のなかから適切な演奏方法を選択して演奏することが可能となった.
さらに,ピアノ演奏における演奏表情を考慮したMIDIファイルの生成を目的として,テンポの揺れを反映させたMIDIファイルの生成手法を提案した.楽譜を忠実に再現した機械的な演奏ではなく,人間による演奏に近い音源が生成された.
今年度は,コロナ禍の影響で自動作曲体験ワークショップ等は開催できなかったが,東宝×アルファポリスのAI子守唄プロジェクト,および東京藝術大学COI主催のオンライン演奏会“AIベートーヴェン”という実践的な取組みに参画した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

昨年度の報告書では,今後の推進方策として,音高決定モデルの提案,分散和音の導入,および演奏表情に関する研究の発展に取り組むと記載したが,今年度はこれらすべてに取り組むことができた.また,推進方策に挙げなかった実践的な取組み(東宝×アルファポリスのAI子守唄プロジェクト,東京藝術大学COI主催のオンライン演奏会“AIベートーヴェン”)にも参画した.以上より,学会発表件数は少なかったものの,総合的にはおおむね順調であると判断される.

Strategy for Future Research Activity

これまでは,楽曲を聴くことにより得られる効果や楽曲のジャンルに関して,特化した処理は行わず,入力曲を変えることのみでどの程度まで対応できるかの検討を進めてきた.今後は,特定の効果を狙った楽曲や特定のジャンルの楽曲を生成する手法の検討にも取り組む.楽曲により得られる効果としては,音楽療法やヒーリングなど,個人向け楽曲として活用場面が広く,需要の高いリラックス効果を対象とする.また,ジャンルについては,Electronic Dance MusicのサブジャンルであるProgressive Houseを対象とする.高音の電子音のリードを短いメロディパターンで繰り返し演奏する点が特徴である.
また,1つの楽曲としての構成をもった楽曲の生成を目指して,現行の手法で生成された主部に適合するような前奏と後奏の生成手法についても検討する.

Causes of Carryover

コロナ禍により,参加学会がすべてオンライン開催となり,研究のための調査や打ち合わせにも出向くことができなかったため,旅費が不要となった.また,自動作曲体験ワークショップ等も開催できなかったため,人件費や雑費も使用しなかった.今年度は,昨年度できなかった活動を対面もしくはオンラインで行なうことを通して,研究をより深め,まとめていく.昨年度からの残金はその諸費用として使用する.

  • Research Products

    (4 results)

All 2020 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] 音楽大学の楽曲制作プロジェクトにおける人工知能を活用した学習環境デザインの一事例2020

    • Author(s)
      岡部大介, 大谷紀子, 永盛祐介
    • Journal Title

      教育システム情報学会誌

      Volume: 37-2 Pages: 161-166

    • DOI

      10.14926/jsise.37.161

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] 自動作曲システムにおけるHMMを用いたメロディの音高決定2020

    • Author(s)
      向瑞稀, 大谷紀子
    • Journal Title

      第19回情報科学技術フォーラム講演論文集

      Volume: 2 Pages: 113-114

  • [Presentation] 自動作曲システムにおけるHMMを用いたメロディの音高決定2020

    • Author(s)
      向瑞稀
    • Organizer
      第19回情報科学技術フォーラム
  • [Remarks] 感性を反映した自動作曲における生成楽曲の多様性の向上

    • URL

      https://www.comm.tcu.ac.jp/otani-lab/kaken17-19/

URL: 

Published: 2021-12-27  

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