2022 Fiscal Year Research-status Report
新しい心電図ICカード登録システムによる急性心筋梗塞早期診断参照システム開発
Project/Area Number |
17K00415
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
伊藤 智範 岩手医科大学, 医学部, 教授 (30347851)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 急性心筋梗塞 / 早期診断 / 検診 / USBメモリー |
Outline of Annual Research Achievements |
背景:健診などで記録された心電図情報は、受診者が保管することはなく、実施施設に保管されることがほとんどである。一方で、循環器救急などでは、過去の心電図を参照することにより、診断と治療が迅速に行われるようになる例も少なくないが、過去の心電図とすぐに参照できる機会は、限られているのが現状である。目的:健診での心電図情報をカード型記録媒体へ組み込んで本人へ配布して、心疾患などの早期診断に結び付けられるかを検証すること。方法:本学人間ドック受診者を対象として、前向きに登録を行って、得られた心電図情報をカード型記録媒体へ登録して本人へ配布した。受診者が、医療機関を受診する際に持参してもらって、早期診断に生かされるかを検証した。結果:登録期間中、205例の人間ドック受診者を登録した。登録者の平均年齢は、62.1歳で、登録者背景では、男性147例、女性58例であった。205例中、なんらかの予定外受診したのは、39例であった。このうち、経過中に心電図カードを持参して受診して予定外受診したのが14例で、医療機関で参照されたのは5例であった。内訳は、脳梗塞1例、腎硬化症1例、高血圧症2例、その他1例で、急性心筋梗塞のケースはなかった。一方、持参せずに受診した25例では、慢性心不全1例、心房細動1例、脳動脈瘤1例、肺癌1例、その他が21例であった。 結語:人間ドックなどの心電図を記録媒体に保管して、本人が管理して医療機関へ持参することは、医療機関が心電図を参照して、診療に活かされる可能性がある。今後はさらにクラウド方式などで、医療情報参照システムを構築することが、重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナにより遅れがあったため延長させていただき、その後論文作成まで進捗している。最終年度に投稿・アクセプトを目指している。
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Strategy for Future Research Activity |
今回の研究から、心電図へ早期にアクセスできる体制が確立すれば、救急車で搬送されるような急性疾患で、早期診断への強力な体制ができるものと思われる。パーソナルヘルスレコード(PHR)の一端として、推し進めることが求められる。
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Causes of Carryover |
コロナにより、健診受診の制限、学会参加不可能となり、研究の進捗ができず、延長したため。最終年度は、論文掲載のために作業を進める予定である。主に校閲費用、掲載費用として使用する予定である。必要な場合には、学会参加を行う。令和5年度は、30万円-50万円を予定している。
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