2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K00422
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
高橋 伸弥 福岡大学, 工学部, 准教授 (40330899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴田 直之 福岡大学, 工学部, 教授 (60227478)
藍 浩之 福岡大学, 理学部, 助教 (20330897)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ミツバチ行動分析 / トラッキング / バイオイメージインフォマティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで開発を進めてきた羽化後のミツバチの行動追跡手法の高速化を目的として,前処理による採餌関連行動区間の検出方法について検討し、切り出された区間に対して複数個体同時追跡手法を適用することを試みた。13時間分の映像データに対して実験を行い、大幅な実行時間の低減が可能であることを確認した。結果として長時間のデータからの行動抽出が可能となり、尻振りダンス軌跡だけでなく、振身ダンスの軌跡やダンス追随個体の軌跡も抽出できることが確認できた。 またH29年度は9月末より11月頭までの約1ヶ月間にわたり、ミツバチ巣内行動自動記録システムにより動画撮影を行なった。撮りためたデータは約20TBである。H29年度の実験においては、RFIDタグに数字を印字したシールを貼り付けて個体識別を行なったが、印字された数字の視認に若干の問題が生じたため、改善が必要であることが示された。 並行して採餌バチが持ち帰った花粉を採取し、色ヒストグラムにより花粉の種類を推定する手法について検討を行なった。これらをDNA分析することで種類を同定できるが、大量のサンプルを処理するには時間がかかりすぎるため画像処理による分類を試みた。予備実験の結果から、湿度や時刻等の花粉採取条件や撮影状況の違いが大きく影響するため、条件を一定にした上で撮影、分析する必要があることが分かった。 これらの研究成果に関しては、電気情報関係学会九州支部連合大会等で口頭発表し、福岡大学工学集報に論文としてまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたARマーカによる個体識別は、撮影条件等の検討が必要であるため、引き続き検討することとした。一方、前処理による採餌関連行動区間の切り出しが有効であることが確認できたことから長時間の解析が可能となったため、当初予定のミツバチライフログの解析システム実現の見通しが立った。しかし採餌バチの識別のための紫外線画像撮影装置に関しては予備実験の域を出ておらず、今後引き続き検討が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
30年度は、深層学習の1手法である畳み込みニューラルネットワークを用いたミツバチ領域検出アルゴリズムを検討し、評価実験を行う予定である。すでに予備実験は済んでいるので実際の動画像に適用する。さらにARマーカの撮影条件の検討、紫外線画像撮影装置の検討を引き続き行う予定としている。 最終年度の31年度には、それまでに開発・検討した手法を統合し、任意の時間・空間解像度による多角的な動画像観察ツールを開発し、その評価実験を行う。
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Causes of Carryover |
(理由)成果発表のための学会出張を3月に予定していたが、都合により日程があわず参加ができなかったことによる。 (計画)30年度の成果発表の旅費に充てる予定である。
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