2017 Fiscal Year Research-status Report
Reaserch in modeling of the health state transition with physical checkup data
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17K00423
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
浅川 剛 産業医科大学, 情報管理センター, 准教授 (90419515)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 健診データ / 医療ビッグデータ / 状態空間モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はデータヘルス事業を推進・加速させるための基盤になりうる健診データの利活用を目的として、その探索的な分析方法の開発を目指している。本年は、以下の3点を行う事で次年度以降の研究推進を加速させるための土台を固めた。(1)加齢に伴う健康状態の変化をどのようにモデル化してとらえる事が出来るかに関して、実際の健診データから一定の方向性を見出すために、特定の手法や考えに固執する事無く様々な最新情報の入手に努めた。実際には、ビッグデータ関連の学会に参加して最新動向の情報収集や、医学・健康関連の研究会や学会に参加してその現状の把握に努めた。それによりある程度の精度を確保するために約10年間継続した健診データを最低年限とするという方針を固めた。また、解析モデル自体は当初の計画通り、まずは状態空間モデルから進める事にした。(2)個人情報保護法の改正に沿った形での生命倫理審査の準備を行った上で承認を得た。使用する用語の改正や統一などが行われたため幾らの混乱も生じ研究進捗に若干の影響はあったが、最終的にはしっかりとした倫理対応が実現できたので、拙速よりもむしろ望ましい遅延であったといえる。(3)健診データの提供に前向きな複数機関に研究代表者または連携研究者が出向き、研究概要や実際に本研究で利用可能なデータ提供が可能かなどの詳細な説明をした。上記の(1)で10年程度の継続した健診データをという方針を取ったために、利用可能であっても継続年の少ないケースが発生していまいデータ授受で難航する事になった。しかしながら、最終的に2018年度末の時点で3機関から本研究の要件に沿うデータが提供可能の打診があったので、双方でしっかりと確認を行い、同意を得た上で今後の手続きなどに進む予定としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ビッグデータ解析や人工知能などへの認知が社会に広く浸透したこともあり、この数年のうちに健診データを取り巻く環境が劇的に変わり、かつ当該年度に個人情報保護法改正も重なり、予想以上に健診データの授受が難航してしまった。また、健診機関側でデータ提供に積極的であったケースであっても、保存期間が5年という所が多く、それ以前のデータ抽出になると過去に経験がなかったり、どれくらいの予算と労力が必要かも不明であったりという事もあった。そのため、当初予定していた時期に健診データが手元にないという結果になり計画の遅れが発生してしまったが、それ以外はほぼ予定通りに進んでいる
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はまず遅れ気味の健診データの授受を進めていく。その後、具体的に健診データに沿う状態空間モデルを、連携研究者と議論をしながら構築する。また、並行して更なるデータ提供を行ってくれる機関を探していく。
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Causes of Carryover |
当該年度に予定した学会出張を日程の都合でキャンセルしたため、幾らかの繰越額が発生した。今年度の学会出張分に繰り越す事を考えている。
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