2018 Fiscal Year Research-status Report
個々の書き手・読み手を意識した統合的な感性情報マイニング技術に関する研究
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17K00430
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
熊本 忠彦 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (30358890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
灘本 明代 甲南大学, 知能情報学部, 教授 (30359103)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ツイート / 顔文字 / 叫喚 / 感情 / 印象 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ツイートやレビューのような短い文章から書き手の感情,読み手が感じた印象,読み手が推測した書き手の感情という3種類の感性情報を抽出するための統合的な技術を確立することを目的とし,平成30年度は以下の研究を行った. まず,平成29年度の研究成果として得られたデータを分析することで,ツイートと基本印象との対応関係ならびにツイートと基本感情との対応関係をそれぞれ定式化した.この研究成果をベースに,ツイートやレビューのようなテキストを入力すると,そのテキストの印象値(読み手が感じた印象の強さを示す値)や感情値(読み手が推測した書き手の感情の強さを示す値)を出力する手法を開発した. また,顔文字をツイートに付与することによりツイートの印象や感情がどのように変化するかを定量的に調べ,分析することで,その変化の仕方を定式化した.これにより,通常,顔文字を含まないツイートを対象として設計されている従来手法と組み合わせることで,顔文字付きツイートの印象値や感情値を求めることができるようになった.一方,ツイートの一部が叫喚表現化して用いられる際の出現パターンを調べ,分析することで,ツイート集合から叫喚ツイート(叫喚表現を含むツイート.たとえば「それはやめてぇぇぇぇ」など)を抽出するための手法を開発した.また,叫喚表現化によりツイートの印象や感情がどのように変化するかを分析した. なお,本研究で用いる印象は「攻撃的/不愉快,ネガティブ,感じの良い,楽しい/愉快,ポジティブ,ほのぼの,鬱陶しい,怖い」の8種類であり,感情は「喜び,好き,安心,悲しい,嫌い,怖れ,怒り,恥ずかしい,高揚,驚き」の10種類である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定どおり,ツイートから読み手の印象や読み手が推測する書き手の感情を推測する手法を開発した.また,ツイートに顔文字を付与した際にツイートの印象や感情がどう変わるかを定式化することで,顔文字が付与されたツイートに対してもツイートの印象や感情を求めることができるようになった.その一方で,平成29年度に行う予定であった書き手の感情を抽出するための手法の開発は3年目に行うこととした.
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Strategy for Future Research Activity |
個々の書き手・読み手に応じてツイートやレビューのような短い文章から書き手の感情や読み手が感じる印象,読み手が推測する書き手の感情を求めるための手法を開発する. また,ツイートの形態として叫喚表現を含むツイートも対象とし,より汎用的で,実用的な感性情報マイニング技術の確立を目指す. 今後も,研究代表者の熊本と研究分担者の灘本とで密に連絡を取り合い,計画の見直しと軌道の修正をしながら研究を遂行する予定である.
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Causes of Carryover |
最終的な研究成果を国際会議等で発表するにあたり,最終年度の予算不足が懸念されたため,当該年度の支出を絞った.
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Research Products
(9 results)