2019 Fiscal Year Research-status Report
協調・競合構造を考慮したアテンションダイナミクスの数理モデリング
Project/Area Number |
17K00433
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
木村 昌弘 龍谷大学, 理工学部, 教授 (10396153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大原 剛三 青山学院大学, 理工学部, 教授 (30294127)
斉藤 和巳 神奈川大学, 理学部, 教授 (80379544)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ソーシャルメディア分析 / 確率過程モデル / 統計的機械学習 / データマイニング / 複雑ネットワーク科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.地理的アテンションダイナミックスにおける影響構造抽出の研究については,前年度に提案した数理モデルを実データでさらに評価し,これらの成果をまとめてジャーナル論文に発表した.
2.時間的に変化するソーシャルネットワークに対し,各時間ステップでのスナップショットにおいて,モジュラリティに基づく階層的コミュニティ構造を抽出し,さらにラプラス中心性に基づいて各コミュニティのリーダを検出する,効率の良い手法を与えるとともに,そのソーシャルネットワークにおける階層的コミュニティ構造と各コミュニティのリーダの時間的変化の様子をわかりやすく提示する可視化手法を与えた.共著ネットワークやテロリストネットワークの実データを用いた実験により,提案手法の有効性を実証した.
3.都市における魅力的な場所(POI)への訪問イベント発生過程をモデル化する問題を論じ,そのダイナミックスを支配する時空間の影響構造を自動的に検出することを試みた.そのような構造のうち解釈可能なものとして,影響を受けるということ関して等質的な構造と,影響を与えるということに関しての等質的な構造に焦点をあて,これら2つの観点から影響構造を検出するRHモデルとSHモデルという2つの確率モデルを提案した.地理的な影響構造を見つけるために,距離依存の中華レストラン過程(ddCRP)を組み込んだRH-ddCRPモデルとSH-ddCRPモデルを構築した.また,地理的な関係に依存しない基本的な影響構造を見つけるために,通常の中華レストラン過程を組み込んだRH-CRPモデルとSH-CRPモデルを構築した.そして,これら4つのモデルの学習法を開発し,人工データを用いた実験により提案学習法の有効性を示した.また,RHモデルにおいては,各POIのポピュラリティ予測に関する近似公式を数理的に導き,人工データを用いた実験によりその有効性を示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度は国外研究員として,ポルトガルのポルト大学LIAADに滞在し共同研究を行った.時間的に変化するソーシャルネットワークの可視化分析の研究については,コミュニティとリーダを動的に抽出し可視する手法を構築して実データによりその有効性を実証し,研究成果を国際会議論文として発表した.一方,都市でのPOI訪問イベント発生過程に対し時空間の影響構造を検出する研究については,数理モデル構築,その挙動解析および,人工データによるその有効性の検証までは行ったが,実データにおけるその有効性は検証中であり,また,得られた研究成果についての論文も執筆中であるため.
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Strategy for Future Research Activity |
まず,都市でのPOI訪問イベント発生過程に対し時空間の影響構造を検出する研究について,提案した数理モデルの有効性を実データで評価し,必要ならばその改良を行う.また,ソーシャルメディアのアイテム群に対するアテンションダイナミクスの数理モデリング研究に関して,これまでに提案してきた数理モデルの改良,そのモデルパラメータ学習法の改良および,その挙動解析を行う.さらに,構築した数理モデルに基づいて,可視化分析.ポピュラリティ分析,異常検出および,各種の知識発見を検討し,実データを用いて有効性を検証する.そして,得られた研究成果を論文にまとめるとともに,国際会議や国内学会において発表する.
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由: 2019年度は国外研究員としてポルトガルのポルト大学LIAADに滞在し共同研究を行い,そこで得られた研究成果の多くを次年度の国内研究会や国際会議で発表するようにしたので,出張旅費および会議参加費に対する費用が少なくなったためである. 使用計画: 研究成果を国内の研究会や国際会議において発表するための出張費用と会議参加費として使用する.
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Research Products
(3 results)