2017 Fiscal Year Research-status Report
動画像解析に基づく認知症患者の痛み推定システムの構築
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17K00442
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
栗原 徹 高知工科大学, 情報学群, 准教授 (50401245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 崇 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 准教授 (40380076)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 痛み / 認知症 / 表情 |
Outline of Annual Research Achievements |
高知工科大の研究倫理委員会への申請の結果、高知大でも倫理委員会の申請が必要となり、最終的に11月ごろに高知大での倫理委員会の承認を得ることができた。これにより、協力病院と高知大学病院で患者本人の同意またはご家族の同意のもとで患者の顔動画像撮影の準備を整えることができた。 実験では、まず、協力病院での撮像を行い、褥瘡をもつ患者の治療時の表情を撮像することができた。このとき褥瘡患者がベッドの上に横になった状態で撮像することになり、正面から表情を撮像することが困難であった。この経験により、多くの公開されている顔表情データベースは正面顔であり、これまでのデータの蓄積を容易に使用できない状況にあることがわかった。これを受け現在は、1)横顔のみで判定プログラムの訓練を行う, 2)褥瘡患者の正面顔を撮像できるような機構的な(撮影時の)工夫を検討する, 3)正面顔を撮像できる別の治療が発生するのを待つ、などの対応を検討中である。また、褥瘡を持つ患者はほぼ寝たきり状態であり認知症が比較的進行している患者が多い。当初の目標であるさまざまな程度の認知症患者の表情画像を収集しその程度を判別するためにも少しデータの多様性が不足していると考えている。 一方で、公開されている複数の痛み顔表情データベースを申し込み、機械学習により表情特徴量の抽出を行うトレーニングを行っている。アテンションモデルを痛み表情抽出に適用できないか検討を進めている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
倫理委員会の承認に時間がかかってしまったこと、患者の許可を受け顔動画像を記録する機会が期待しているより少ない、などにより、認知症の程度が異なる患者の顔表情変化のデータを収集できていない。 最も協力的な医院では横顔が主のデータとなりそうであり、正面顔を撮る工夫ができないか検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き正面からの顔表情変化の動画像を記録する機会を得られるように努力するとともに、横顔への対応の検討を進める必要がある。 また、正面顔を撮像できる別の治療を撮像可能性の検討を進めていく。 さらに、認知症患者の動画像収集を進め、認知症患者と非認知症患者との特徴量の比較を進め、同一の指標が適用できるか明らかにする。
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Causes of Carryover |
ソフトウエアを少し安く購入することができ少額が残額として生じた。 翌年度分と合算しGPUを購入する。
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