2020 Fiscal Year Research-status Report
Construction of knowledge, information access supporting circumstances by the fusion type understanding of rial space and the online space
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17K00450
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松村 敦 筑波大学, 図書館情報メディア系, 助教 (40334073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇陀 則彦 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (50261813)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 情報探索 / 情報推薦 / 意外性 / 経路情報 / 探索行動 / 図書館 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,リアル・オンラインのいずれの情報アクセス支援においても,そこに含まれる膨大な知識・情報の把握を支援することである.オンラインでの情報アクセスにリアル空間でのアプローチを適用する一方で,リアル空間での情報アクセスにオンラインのアプローチを適用することが最終的な目標である. 本年は,リアルな図書館での情報探索において,オンラインでの探索経路情報の提示によって,発見される資料にどのような影響があるかを明らかにすることを目的に研究を行った.まずはじめに,実際の公共図書館を対象に,探索する図書を選定し,それらを探す経路を提示するシステムを実装した.このシステムを利用することで,資料を見つける負担を減らしつつ,思いもよらない資料の発見を促すことを実現した. ここで,探索経路によって資料発見にどのような影響があるかを見るために,異なる経路を提示するよう2つのグループで比較する実験を行った.経路Aは,同じ棚にある複数の資料を一回で集めるもので,同じ棚には一度しか訪れないが,その滞在時間は長くなるような経路である.経路Bは,同じ棚にある複数の資料を複数回に分けて集めるもので,一回の滞在時間は短いが,何度も同じ棚を訪れる経路である. 実験の結果,どちらの経路でも思いもかけない資料の発見し,新しい興味を発見できることがわかった.また,経路の途中で発見する資料は経路Bのグループの方が多い傾向が見られた. これらの結果は,図書館内で本を探す経路を適切に提示することで,思いもかけない資料の発見を促すことができる可能性を示している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度もコロナ禍にあり,実際の空間での十分な実験は実現できなかった.特に,滞在時間の制限が厳しくビーコンの設置や細かい調整を行う実験は難しかった.そのため,資料とその経路を指定して図書館内を短時間で探索するという形式の行動を対象に,その影響を見る実験を行った.リアル空間とオンラインの融合という点では,リアル空間の経路をオンラインで提示しながらの探索行動という方法で実現した.その成果としては,意外性のある資料の発見を促すことができたものの,最終目的にまでは至らなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果を融合し,コロナ禍で可能な実験とそのためのシステムの実装について検討を行う.そのために,まず,リアル空間での短時間利用を想定した図書の探索についての分析を行う.次に,リアル空間を探索するための棚の推薦と経路の提示システムの実装を検討する.最後に,実際の探索実験を行い評価を実施する計画である.
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で実験計画も変更となり,実施規模の縮小による謝礼の支出と,成果発表の予定の遅れによる旅費の支出ができなかった. 今年度は最終システム実装のための機材の調達,実験参加者への謝礼,旅費に使用する計画である.
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