2022 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of knowledge, information access supporting circumstances by the fusion type understanding of rial space and the online space
Project/Area Number |
17K00450
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松村 敦 筑波大学, 図書館情報メディア系, 助教 (40334073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇陀 則彦 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (50261813)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 情報探索・検索 / 情報推薦 / 探索履歴 / トレーシング / 探索経路 / 主題情報 / 位置情報 / 図書館利用教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,リアル・オンラインのいずれの情報アクセス支援においても,そこに含まれる膨大な知識・情報の把握を支援する環境の構築である. 今年度は,リアル図書館の蔵書を活用して利用者の興味を広げる方法を考案し,大学図書館にて評価実験を行なった.大学図書館は,主にその大学での教育と密接に結びついた蔵書構成となっている.そこで,本手法では,図書館の蔵書を授業キーワードと結びつけ,利用者の履修科目と照らし合わせることで,利用者が興味を持ち,把握している書架の領域を推定する.興味を広げるために,既に把握している書架以外の書架へも足を運ぶような経路を設定し,複数の書籍を収集する探索を行わせた.本手法は,テーマにそった複数書籍を経路を指定して探索するトレーシングの応用である.実験の結果,多くの学生に興味の広がりが見られた.しかも,新しい興味の発見と同時に,元々興味があった分野の解像度の向上もあり,図書館内の知識・情報の把握を支援する効果があったと言える. 研究期間全体をみると,リアル空間においては,ある主題に対して多様な分類の図書を選出し,図書館内で指定した経路をたどって収集してもらうトレーシングを考案したことが大きな成果である.これによって,利用者の資料選択の幅が広がり,図書館の知識・情報の把握の支援につながることが示された. 一方,オンライン空間では,探索経路をネットワーク状に可視化するシステムや,botや結果の自主的整理によるメタ認知を促す支援の有効性を示した. さらに,リアル・オンラインの融合においては,書店での滞在情報と経路情報から新規の棚を推薦するアプリケーションの開発,図書館内でデバイスに探索経路や探索方法を提示する環境の構築を行った.リアル・オンライン両者のシームレスな接続には至っていないが,双方の切り替えによる知識・情報の把握を支援する環境の構築は実現できたと考えている.
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