2017 Fiscal Year Research-status Report
共引用ネットワークの拡張と特性分析に基づく文献検索手法の開発
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17K00455
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Research Institution | Gakushuin Women's College |
Principal Investigator |
江藤 正己 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 准教授 (10584807)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 情報図書館学 / 情報システム / 情報検索 / 共引用 / 引用索引 / 文脈情報 / ネットワーク / 情報推薦 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,引用ネットワークを利用した検索において,その長所「キーワード検索では見つけられない適合文献を発見できる」を強化した新たな検索手法を開発することである。本年度は,主として以下の二つのことをおこなった。 1.共引用ネットワークを拡張するための手がかりや機械学習の手法などについて文献調査をおこない,検索手法開発の方向性について検討した。 2.研究の初期的な試みとして,クラスタリングの領域において,共引用ネットワーク拡張の有効性を検討した。具体的には,「粗い共引用関係」(「起点となる文献」と「その起点文献を引用している文献に含まれる語を手がかりにして語に基づく検索をおこない,そこで得られた文献が引用している文献」との関係)に基づく方法が,クラスタリングにおいて機能するか否か,その可能性を実験によって明らかにした。実験は,「従来の共引用関係に基づいて算出した類似度のみによってクラスタリングをおこなう手法」と「従来の共引用関係に基づいて算出した類似度に,粗い共引用関係に基づいて算出した類似度を組み合わせてクラスタリングをおこなう手法」を,同一の文献群を対象に適用し,その性能を比較することによりおこなった。その結果,後者の組み合わせによる手法の方がクラスタリングの性能が高く,共引用ネットワーク拡張の有効性が示唆された。また,この実験において得られた成果について,国際会議に投稿した(受理済み)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
おおむね当初予定していた計画の方向で進捗している。しかしながら,共引用ネットワークの拡張に関して,基本的なクラスタリングアルゴリズムでの実験にとどまっており,その他の機械学習アルゴリズムについては,実験に着手出来ていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度におこなったクラスタリングの実験について,国際会議で研究発表を行い,そこでの議論などをもとに,その成果について考察を深める。さらに,それを土台として,その他の機械学習のアルゴリズムの適用について検討や実験をおこなう。また,これらの作業に並行して,ネットワークの特性に関する分析についても取り組む。
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Causes of Carryover |
研究の進捗がやや遅れており,共引用ネットワークの拡張に関する検索実験を部分的にしかおこなえていないことが主たる理由である。まだ着手出来ていない実験の遂行や本年度に得たクラスタリングの研究成果発表に関する費用に充てる。また,共引用ネットワークの特性を分析するための,文献調査や検索実験等の経費に用いる。
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