2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study on Books of Travel Deposited at the Center of Historical Social Science Literature, Hitotsubashi University
Project/Area Number |
17K00465
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
江夏 由樹 帝京大学, 経済学部, 教授 (10194002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
床井 啓太郎 一橋大学, 社会科学古典資料センター, 助手 (20508650) [Withdrawn]
福島 知己 帝京大学, 経済学部, 講師 (30377064)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 旅行記 / 一橋大学社会科学古典資料センター / メンガー文庫 / フランクリン文庫 / 18-19世紀 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度(2019年度)は本研究プロジェクトの最終年度であるが、一橋大学社会科学古典資料センター所蔵の旅行記のうち、8件の調査を進めた。研究期間全体では、研究協力者として6名の大学院生を雇用し、42件の資料についての調査を行った。その言語別の内訳は、英語(15件)、仏語(26件)、独語(1件)であった。また、調査対象となった資料のなかには、日本の他の図書館、研究機関等に所属されていないものが12件含まれていた。3年間の調査の概要は『一橋大学社会科学古典資料センター年報』(40号)にまとめられている。 本研究プロジェクトの調査を通じてあらためて明らかになったことは、例えば、メンガー文庫、フランクリン文庫において「旅行記」と分類されていても、実際には旅行記ではなく、地誌に属するものも数多く含まれていたことであった。また、外交官作家アドルフ・ダヴリルによるメッカ巡礼とコレラ流行の関連についての指摘や、ボナコッシ伯爵による文献資料をもとにした清朝の研究、ガリバー旅行記亜流の物語など、歴史研究の対象として興味深いものが含まれていることをあらためて確認できた。この点は、2017年度・18年度の報告でも強調していたところである。 2020年2月17日には、研究協力者5名を含めた研究会を開催し、本研究の成果のまとめを行った。研究協力者からは、それぞれ担当した資料の内容の報告が行われた。そこでは、今後の課題として、所蔵件数は少ないが、まだ充分な調査が行われていないロシア語等の文献の研究が必要であることが確認された。
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Research Products
(3 results)