2019 Fiscal Year Research-status Report
在英米日本関係古写真資料総目録の形成と写真資料情報化ガイドライン策定に関する研究
Project/Area Number |
17K00470
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
研谷 紀夫 関西大学, 総合情報学部, 教授 (00466830)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 古写真 / メタデータ / 日本研究 / MLA連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は既に収集していた主要機関のメタデータを増強するとともに、前年度の計画でも述べたように英米の地方の機関の目録情報の収集に務めた。特にイギリスにおいては多数の機関で日本の古写真資料があることがわかり、具体名をあげれば、Borthwick Institute for Archives、Durham County Record Office、The Keep、take on Trent City Archivessy、SURREY HISTORY CENTRE、British Library of Political and Economic Scienceなど、約30館から目録を取得した。また、英米の両方において、調査の結果最終的に所蔵が無しと明確な返事のあった機関も多数情報を取得することができた。さらに、ガイドラインのドラフトを作成した上で、主要機関の担当者と情報を交換した。また、1年目、2年目において、海外の機関に多数保存されていた小川一眞の写真帳においては、各機関ともその成立年が不明であったため、小川の生誕地で、小川の写真業と共同事業を行った兄の原田庄左衛門の資料と共に小川関係の資料を多数保存する埼玉県の行田市郷土博物館と共同調査し小川の活動なども示した原田の日誌を翻刻し、調査した。それによって、小川が明治20年代の始めに出版するとともに25年頃に再び日光に撮影に行き、新しいアルバムの撮影をしていることなどがわかり、複数のバージョンの存在を確認した。これらの日誌の内容などは、行田市郷土博物館の紀要に掲載された。但し、目録及びガイドラインの双方について、3月末が回答の締め切りであったが2月より英米の機関の多くがコロナウィルスの影響で閉館することになり、日本においても東京都写真美術館などの諸機関が閉館して調査や回答が不十分となっている。これらの検討を進める必要がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
概要で述べたように、メタデータやガイドラインのヒアリングなどについて3月末に最終的な回答を頂く予定であったため、2月頃より英米の各機関がコロナウィルスの影響で閉館し、まだ未回答のところが多い。特に現物資料の調査が含まれる場合は博物館内でしか実施できないため、回答が遅れる可能性が高い。またガイドラインなどについては日本における調査も諸機関の閉館などによって遅れが生じている。
|
Strategy for Future Research Activity |
前述したようなコロナウィルスの影響によって、英米の博物館、図書館、文書館などの機関が閉館しているため、目録の最終的な調査報告とガイドラインに関する回答が遅れており、これらについては、これらの扱いを保留として、既に調査が終わった機関の目録の整理や、ガイドライン最終版の作成を進めていく。
|
Causes of Carryover |
年度末に東京都写真美術館の図書室および展示「日本初期写真史 関東編 幕末明治を撮る」などで最新の古写真研究の調査を実施するための国内出張を予定していたが、コロナウィルスの拡大により同館が休館し、首都圏への出張が難しくなったため、次年度使用額が生じた。収束した後に昨年度に実行できなかった出張の費用として使用する予定である。
|