2017 Fiscal Year Research-status Report
A Portal Site for Intelligent Software Development by Integration of Knowledge Bases with Representation Learning Capability
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17K00498
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
鷹野 孝典 神奈川工科大学, 情報学部, 准教授 (40434419)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 知的学習支援システム / 異種知識ベース統合 / ソフトウェア開発 / 情報検索 / 特徴表現学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,利用者の問い合わせに応じて適切な特徴表現学習ネットワークを結合するための手法,及びソフトウェアリポジトリ分析よるソフトウェア開発者の知識伝播モデルを構築するための手法を提案し,本手法を適用して実現される知的ソフトウェア開発支援ポータルサイトを用いてソフトウェア開発やプロジェクト展開等の際に生じる諸問題を解決する事により,ソフトウェア開発の生産性向上,及び教育の効率化を達成する事を目的とする.平成29年度の主な成果として,下記の提案を行い,当初の研究目標を達成できた.
(1)技術系コミュニケーションツールにおける活動履歴に基づいたユーザ役割の抽出手法:技術系コミュニケーションツールの会話履歴の特徴から,リーダ性やサポート性といったユーザの持つ役割を抽出し,会話内容に加えて,ユーザの持つ役割を考慮することにより,ユーザ間の関係性を示す距離を算出する手法を提案した.提案手法では,協調フィルタリング手法で用いられる情報嗜好性の観点からのユーザ間距離のみではなく,リーダ性やサポート性などの影響力の強い役割を持った人物との距離を考慮した情報提示を行う.本研究では,技術系コミュニケーションツールであるSlackを用いた実験により,提案方式の実現可能性を検証した. (2)開発プロジェクトにおけるソフトウェア性能分析に基づいた開発者の貢献度分析:ソースコードの実行結果をプロファイリングし,その分析結果に基づいて開発者のソフトウェア実行性能改善への貢献度を算出する手法を提案した.提案方式では開発中のソフトウェアを実際に実行し,実行時間・CPU使用率・メモリ使用量等の性能値をコミットごとに収集・分析することで開発者のプロジェクトへの実質的な貢献度を算出する.GitHub上の開発プロジェクトを対象とした実験により提案方式の実現可能性を検証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の当初計画に沿って,下記研究項目を推進することができ,研究はおおむね順調に進展している.
(A) 提案システムの基本設計,実現方法,評価方法,応用方法の設計 (B) Web上のソフトウェア開発に関する解説やQAサイト群から,ソフトウェア開発に関連する有意な知識情報を自動分類し,各々を独立した知識ベースとして構築するための手法: : 主として研究実績の概要で述べた(1)と(2)の実現を行った.さらに,サーバ上で稼働するソフトウェア開発に関する知識ベースを構築するために,仮想環境でのテスト機能を備えた不具合復旧情報収集システムの設計・開発を行っている.また同様に,Webアプリケーションを対象としたソフトウェア開発に関する知識ベース構築について,オンラインマニュアルからのソースコード断片やソースコードメタデータの収集システムの設計・開発を行っている. (C) 特徴抽出学習型知識ベース群を,利用者の問い合わせに応じて統合するための方法論の提案: 上記(B)の知識ベース群を対象として特徴抽出学習型知識ベースとして拡張するための方法論を考案している段階である.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に引き続き,下記項目を実施していく予定である.
(1) 引き続き,特徴抽出学習型知識ベース群を,利用者の問い合わせに応じて統合するための方法論の考案を行う. (2) ソフトウェアリポジトリを対象としたビッグデータ分析により,開発者の知識伝播モデルを導出し,重要な経験知識や技能を持った開発者に着目した知識情報提示機能の実現方法を示す. (3) グローバル・ソフトウェアエンジニアリング教育環境での実証実験により,提案システムの有用性・有効性を検証する.
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Causes of Carryover |
H29年度は,4名の開発者に対して,3台のGPU搭載PCと1台の外付けGPUボックスを購入し,実装を行った.各々の開発者が,実装した基本機能群の単体性能評価に注力したため,それらが完了した段階で全体設計の見直しを図りたいと考えた.このため,システム統合を行うためにH29年度購入予定であった知的ソフトウェア開発支援ポータルサイト構築サーバを,H30年度に購入予定とすることにした.
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