2019 Fiscal Year Annual Research Report
High time-resolution monitoring of transboundary air pollutants at the summit of Mt. Fuji
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17K00521
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
竹内 政樹 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 准教授 (10457319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 秀治 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 教授 (40207121)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 環境分析 / 越境大気汚染 / 富士山 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、これまでに検討してきた大気粒子状物質のオンライン捕集器を組み込んだオンライン分析システムを用いて、富士山頂における粒子状硝酸イオン(NO3-)、硫酸イオン(SO42-)及びアンモニウムイオン(NH4+)の連続分析を試みた。2019年7月12日から22日までの富士山頂における大気粒子状物質中のNO3-とSO42-平均濃度はそれぞれ0.322、0.481 nmol m-3であった。富士山頂に流入した気塊を、1時間毎に72時間さかのぼって、後方流跡線解析したところ、アジア大陸経由(A)、東シナ海経由(B)、太平洋経由(C)の3つに大別することができた。観測期間中に気塊の流入方向が大きく変化した日が3日間あったが、本研究では1時間毎に大気粒子状物質の観測データが得られているため、これらの日においても観測データを気塊の流入方向毎に分類することが可能であった。また、総濃度を比較すると、気塊Aが高く、気塊B、Cは低くなった。気塊B、Cは海上を通過しており、大陸の汚染源を通過していないため、比較的清浄な気塊であると思われる。気塊Aは、アジア大陸を通過していることから、アジア近隣諸国から排出された大気汚染物質が富士山頂に流入した結果を反映しているものと思われる。一方、粒子状NH4+については、分析システムの不調によりデータを得ることができなかった。 また、日本分析化学会第68年会に参加し、これまでに得られた研究成果のポスター発表ならびに今後の研究を進めるうえでの情報収集を行った。
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