2019 Fiscal Year Annual Research Report
Challenge for the evaluation of the interaction between host plankton and its parasite in Lake Biwa during the past century
Project/Area Number |
17K00528
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Research Institution | Matsuyama University |
Principal Investigator |
槻木 玲美 松山大学, 法学部, 教授 (20423618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本庄 三恵 京都大学, 生態学研究センター, 研究員 (30450208)
加 三千宣 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 准教授 (70448380)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | プランクトン / ウイルス / 生物間相互作用 / 過去100年 / 宿主-寄生者 / 琵琶湖 / 環境変化 / 古生物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、世界有数の古代湖である琵琶湖がこの100年間で宿主プランクトン相と、その寄生者との相互作用がどのように変化してきたのかを堆積物コアに残る情報から明らかにすることを目的としている。今年度は1)宿主プランクトンの長期変化の再現、2)新規ミジンコ感染ウイルスの探索などを実施した。その結果、1)琵琶湖のプランクトン相はこの100年で大きな変化が2回生じていること、1回目が富栄養化した1970年代、2回目が2010年頃から現在に至る時期であることが判明した。また近年、大増殖が問題となっている大型植物プランクトンMicrasterias hardyiは1960年頃から現在までの堆積試料から僅かな量ながらほぼ連続的に見いだされ、想定されていた時期よりはるか前に侵入していた可能性が浮かび上がってきた。同じ大型緑藻類のStaurastrum dorsidentiferum も2000年代頃より急速に増加するが、琵琶湖固有種の珪藻Aulacoseira nipponicaは1980年代以降、減少の一途をたどっていた。これら植物プランクトンの変動要因について、解析を進めた結果、気温風速・日照と言った気象条件や植食者である大型ミジンコDaphnia pulicariaが強い影響を与えていることが明らかとなってきた。一方、寄生者について、2) 新規ミジンコ感染ウイルスを探索するため、琵琶湖から採取したミジンコ1412個体について消化管内容物を排出させたのち、塩化セシウム密度勾配超遠心によりウイルスの濃縮・精製後、次世代シーケンサーでDNA配列を取得した。その結果、複製タンパク質と外皮タンパク質をコードする環状DNA構造の複数のコンティグが得られ、既知のミジンコ感染ウイルスに類似した配列が検出された他、新規ミジンコウイルスの候補配列を取得できた。
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Research Products
(3 results)