2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of mass spectrometric method for simultaneous determination of hard-to-measure Pu isotopes in environmental and reactor decommissioning waste samples
Project/Area Number |
17K00537
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
鄭 建 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 福島再生支援本部, 上席研究員(定常) (30370878)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Plutonium isotopes / ICP-MS/MS / Environmental samples / Nuclear Decommissioning / Low-temperature fusion |
Outline of Annual Research Achievements |
東電福島第一原発事故由来Pu同位体の環境動態解析、環境除染・廃炉作業に伴い発生する廃棄物の汚染状況の把握及び被ばく線量の評価には、重要同位体(Pu-238,Pu-239,Pu-240, Pu-241)、特に線量寄与が大きいPu-238とPu-241の測定が必要である。本研究はトリプル四重極ICP-MS/MSを用いて、イオン-分子反応よりU-238とPu-238を分別し、これまで測定が困難であったPu同位体の同時測定を可能とする先端質量分析法の開発を目的として研究を進めている。 研究では、昨年度確立した少量海水迅速分析法を用いて、福島事故の初期段階(事故後2ヶ月以内)に原発から33-163km離れた海水中のPu同位体を測定した。その結果、239+240Pu濃度と240Pu/239Pu原子比の両方がバックグラウンド範囲内にあった。事故の初期段階においても、事故により海洋環境へ放出されたPu同位体について、その影響を明確に確認することはできなかった。 本年度研究では、融点が低いNH4HF2を用いて、環境試料と廃炉関連コンクリート試料中のPu同位体の迅速分析のため、新規低温溶融法を開発した。従来法より低い温度(250度)で、また15分の短時間で試料中のPuを溶出可能にした。特に、NH4HF2溶融法の全工程でHFを使用していないため、HNO3-HF分解よりも安全で環境に優しい方法である ICP-MS/MSでのPu同位体測定について、CO2反応ガスを用いて、イオン-分子反応よりU-238とPu-238を分別する実験条件を詳細的に検討した。オンマスモードで超微量(fgレベル)Pu-238測定法を確立した。これらの結果から、本研究で得られたICP-MS/MSのプルトニウム同位体測定法はPu同位体(Pu-238, Pu-239, Pu-240, Pu-241)の同時測定可能であることを確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定の環境試料と廃炉関連コンクリート試料の新規低温溶融法を確立、福島事故後初期海水中Pu同位体の分布解明、まとめた論文は学術誌に掲載された。また、高感度トリプル四重極ICP-MS/MSのプルトニウム同位体測定法の確立について順調に進んできたため。
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Strategy for Future Research Activity |
廃炉関連試料ステンレス鋼などの高効分解法と迅速化学分離法確立の検討を行う。その後、土壌/堆積物標準試料を用いて、トリプル四重極ICP-MS/MSの実試料プルトニウム同位体測定の精度と正確度を確認する。また、福島にて採取した土壌コアサンプルと日本沿岸地域採取した堆積物を用いてPu同位体の分析し、Puの環境動態を解析する。
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Research Products
(14 results)