2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development and Calibration of the Polar Organic Chemical Integrative Sampler (POCIS) for highly hydrophilic chemicals
Project/Area Number |
17K00543
|
Research Institution | Research Institute of Environment, Agriculture and Fisheries, Osaka Prefecture |
Principal Investigator |
矢吹 芳教 地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所(環境研究部、食と農の研究部及び水産研究部), その他部局等, 主任研究員 (00360818)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 智司 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (30748934)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | パッシブサンプリング / 高親水性化合物 / 環境モニタリング / ネオニコチノイド / 1,4-ジオキサン |
Outline of Annual Research Achievements |
高親水性化合物として、ネオニコチノイド系殺虫剤と1,4-ジオキサンを選定した。吸着実験と膜透過実験を行い、最適な受容相(吸着樹脂)と浸透膜を選定した。ネオニコチノイド系殺虫剤に最適なPOCIS(パッシブサンプラー)の受容相としてENVI-carb(EC)を、浸透膜としてPES及びPTFEを選定した。校正実験により、これらを組み合わせた新規PS のRsを算出した。受容相にEC、浸透膜にPESを用いたPOCIS(PES-EC-POCIS)は、従来の受容相であるHLBを用いたPOCIS(PES-HLB-POCIS)のRsと比較して、同程度からやや低い値であったが、平均濃度の算出に利用できる期間(受容相への吸着量が直線的に増加する期間)はPES-HLB-POCISよりもPES-EC-POCISでは7~14 d程度に延長することができた。浸透膜としてPTFEを用いたPOCIS(PTFE-EC-POCIS)はネオニコチノイド系殺虫剤の透過性が高く、受容相の飽和が早まるため、長期のモニタリングには不向きであった。一方で、短期間での感度はPESよりも高い利点もあった。1,4-ジオキサンの受容相は活性炭(AC-2)、浸透膜はPTFEが最適であったが、吸着係数Kdは最高でもAC2の約1000 L/kgであった。また、POCISの特徴である浸透膜の大きさは受容相の早期の飽和を促すことが示されたことから、片面をふさいだPOCISを使用した水槽曝露実験を行った。POCISの片面をふさぎ、疎水性PTFE膜を浸透膜とすることで直線的な濃度上昇期間を7日間まで延長することが可能となった。フィールドでの実験を行い、検出されたネオニコチノイド系殺虫剤(イミダクロプリド、クロチアニジン及びアセタミプリド)について、PES-EC-POCISとグラブサンプリング法で算出した平均濃度がおおむね一致することが示された。
|