2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of silver phosphate concentration method using zirconium-supported Seppak cartridge
Project/Area Number |
17K00544
|
Research Institution | Shimane Prefectural Institute of Public Health and Environmental Science |
Principal Investigator |
神谷 宏 島根県保健環境科学研究所, 環境科学部, 主任研究員 (50601928)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | リン酸銀酸素同位体分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在のオルトリン酸の酸素同位体分析方法 ①サンプルに塩化マグネシウムを添加し1晩放置。②上澄みを除去し,遠心分離で濃縮。③沈殿を硝酸に溶解。④有機物除去カラムを通す。⑤中和して酢酸と硝酸カリウム添加。⑥硝酸セリウムにリン酸を加えてリン酸セリウムにする。⑦リン酸セリウムをリン酸銀に変換する。⑧出来たリン酸銀を熱分解型元素分析装置付きの安定同位体比質量分析計を用いて,熱分解により生じた一酸化炭素ガスの酸素安定同位体比を分析。合計で7日以上必要。 現在のリン酸酸素同位体分析の問題点 1.分析に必要なリン酸銀の量を確保するため,多くの作業が必要である。2.分析に必要なリン酸銀は100ug程度で,特にリン酸濃度の低い高山の渓流水などでは20L以上となる場合もある。3.リン酸銀の作成時に,必要なオルトリン酸と不要なピロリン酸(オルトリン酸が二つ縮合したもの)等を分離できず,作成されるリン酸銀はピロリン酸塩等を含んでおり,得られるシグナルがオルトリン酸のものを代表しているかどうか疑問がある。などが存在している。 そのため我々はこれら問題を解決すべく取り組んでいるが,①,②についてはサンプルをろ過後ジルコニウムを担持させたセップパックカラムを通過させることでリン化合物の濃縮が可能となった。これにより分析方法の①から⑥までを省くことができるようになった。あと残っているのは③だけとなったが,可能な限り様々な実験条件を設定し,検討を行っていく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
リン酸銀は黄色の結晶である。本年度黄色の結晶を作成できたが,分析の結果炭酸銀であることが分かった。これもほとんどおなじ色の結晶で,作成条件がよくなかったと考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
作成条件を変更して行う。
|
Causes of Carryover |
様々な汽水湖の採水を行い,リン酸酸素同位体比を測定する。更に可能な範囲で国際会議において結果を報告する。国際会議はイタリアで開催予定の汽水域研究者が集まる大会を予定しており,約70万円程度必要と考えている。
|